こともなし

晴。
 
大垣。あまり精神の状態がよくなく、好きな運転もそんなに楽しくない。
ミスタードーナツ大垣ショップ。ホット・スイーツパイ りんご+ブレンドコーヒー393円。『テヘランでロリータを読む』の続き。この本はノンフィクションで、フィクションというわけではないけれど、文学の力に少し心がほぐれる。読んでいるうち、ミスドの懐古的な BGM がこちらの感情を呼び起こしてくる。いうまでもなく、この本はいまの状況と重なるところがある。「非人間的な」状況における文学の力。この本は文学プラス何かだが、さてそれは何だろう。戦争と文学。硬直した世界と文学。「イスラム革命」と文学。「暴力と死」と文学。本書が扱っているのは、イスラムからしたら「退廃的な」文学だ。それが、何故イスラム教徒に、何らかの力を持つのか。しかし考えてみると、わたしはそういう一種の切実さをもって文学を読んだことは、(まったくないことはないのかも知れないが)あまりないようにも思える。たんなる教養? そこが、わたしの「引け目」かも知れない。

多少は回復した感じもする。
 
帰りは窓から日差しが入り込んで、暖かかった。
 
 
夕方、老母をワクチン接種会場へ送っていく。待っている間、少し歩いてみたのだが、市民公園も「学びの森」も、家族づれなどが大勢出ていた。土曜日だし、春になってきたのだなあという感じ。
 
夕食に、ウチの蕗の薹で作った蕗味噌を食べる。ほろ苦くて春の味。
 

 
夜。
山田稔さんの『北園町九十三番地』を読み始める。山田さんは天野忠の詩よりも散文が好きだとあるが、わたしは本書に引かれた詩から、天野さんの詩をむしろ読みたい。県図書館で土曜美術社と思潮社の『天野忠詩集』が読めるようだ。
 本書を読んでいると、天野さんの自宅はどうもわたしのかつての下宿から遠くない感じがするので、グーグルマップで調べてみたところ、下鴨北園町九十三番地はやはりわたしの下宿だったところからふつうに自転車で行ける範囲だった。というか、その辺にはCoCo壱番屋や牛丼の吉野家、葵書房があって、自転車でよくふらふらしていたものである。
 というところから、かつての自分の「勢力圏」(?笑)を、ストリートビューでいろいろ見回ってしまう。四半世紀経って随分変わったが、店の常連だった喫茶インペリアルがまだやっていたのには胸をつかれた。マスター、お元気なんだな。一乗寺の花梨、げんざえもん(本店は健在だった)はさすがになくなっていた。本屋は思ったより残っていて、全国的に有名になった恵文社一乗寺店はもとより、高野の大垣書店*1、下鴨北大路の葵書房もまだ健在だった。ってどうでもいいですね。でも、わたしの京都は、わたしの心の中にしか残っていないというのも本当なのだ。
 
あら、葵書房は去年いっぱいで閉店したのか。。。ここには岩波文庫があったので、よく行った。
 
いろいろ検索していたら、アニメ「けいおん!」の舞台がピンポイントでわたしのかつての「勢力圏」(叡電修学院駅付近)だったと知って驚いている。OPに出てくるらしい松ヶ崎橋、わたしのいまは無き下宿の隣じゃん。登場人物たちが、わたしの下宿の前を歩いていたのか。「けいおん!」は最初の1分で挫折したのだけれど、もう一度観てみるかなあ…。

*1:しかしわたしの居た頃は丸山書店で、24時間営業だった。近くのミスドも24時間営業でした。。。1990年代前半のことです。