緊急事態宣言が終わったらどこかへ出かけたいという老母のたっての希望もあり、家族三人で奈良まで車で日帰り旅行をしてきました。
予定より早め、七時半頃に出発、いつもの岐阜各務原IC から東海北陸自動車道に入り、名神→名古屋高速→東名阪自動車道と経由します。途中、謎の渋滞で30分ロス。また、カーナビの地図データが古くなっていて分岐を間違えそうになるなど、もうナビの地図を更新しようかという話に。御在所SAで休憩の後、キツいアップダウンとカーブで「最恐国道」ともいわれる国道25号(名阪国道)を行きます。天理東ICで降りて、11時頃に最初の目的地、石上(いそのかみ)神宮着。天気は曇り気味。
石上神宮はとても古い神社ということで有名で、古事記や日本書紀にも名前が記されているほどらしいです。物部氏が作った神社とのこと。御神体は布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)という剣。境内を古道「山の辺(べ)の道」が通っているのですが、今回の観光は、じつはこの「山の辺の道」沿いに点在する旧跡を訪ねようというものなのですね。
この門をくぐると国宝の拝殿ですが、拝殿は改修中で足場に覆われていました。
国宝の摂社出雲建雄神社拝殿。鎌倉時代後期の造営だそうです。
なぜか鶏が放し飼いにしてあります。
桜井まで一気に南下して、そば「蕎麦がき屋」にて昼食。ここは2016年の家族旅行(参照)でたまたま訪れた店で、その時とてもおいしかったので、再訪です。いまでは人気店で、12時前だったのですが随分と待たされました。わたしはざる大盛を注文したのですが、おいしい十割そばでした。満足。
大神神社へ。これで「おおみわ」神社と読み、神社背後の三輪山が御神体です。なだらかな神奈備山ですね。古代、倭人が奈良盆地に入ったとき、すぐさまこの優美な山に感嘆してこれを祀ったのだと、中沢さんは書いていたと思います。何故か出雲系の大物主(おおものぬし)大神が主祭神で、伝説があるのですが、不思議な感じがします。
とても大きな鳥居。
奥が御神体の三輪山。手前の駐車場がうるさく感じられますが、よほど道を外れない限り、三輪山がすっきり見えるところはありません。本末転倒ですね。
JR三輪駅。何となく趣きがあったので。
拝殿。江戸中期の造営だそう。
白蛇があらわれたという巨杉。
拝殿別影。
予定になかった箸墓古墳へ寄ってみました。この古墳は卑弥呼の墓といわれることもあります。
その辺の風景。
これが古墳(の一部)ですが、何だかわかりませんね。
たぶん三輪山の、遠景。
何だか知らない草で、見たことのない小さな実をつけています。
ひなびた奈良の景色。
黒塚古墳へ。ここは33面の三角縁神獣鏡が出土したことで知られています。
隣に古墳展示館があって、石室の実物大模型が展示されてあります。
長岳寺へ。真言宗のお寺で九世紀の創建、かつては多くの塔頭があったそうです。
戦国期の狩野山楽が描いた地獄絵図があり、それの御開帳に合わせて行ったのですが、住職が絵の前で漫談をやりながら解説していて、近寄って見ることは叶いませんでした。パソコンとモニターを使った解説だったのですが、肉眼でじっくり見たかったですね。時間もなくて、漫談はそこそこに引き上げました。
三時過ぎに長岳寺を出発、名阪国道経由ではなく、京奈道路→京滋バイパス→名神と経由して帰りました。こちらの方が時間はかかるのですが、名阪国道の東向きはさらにハードなので、楽かなと思ってのことです。初めての道で、結局は緊張しましたが。じつはわたしは寝不足で、事故ったりしないよう、途中二度充分な休憩をとりました。名神に入ると陽は完全に落ち、真っ暗な中で慎重に運転しましたねー。四時間くらいかけて、19:30頃に帰宅。全行程距離 371.7km で、一日としては結構走りました。当日には疲れてブログも書けず、いま翌日に書いています。
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しかし思ったのですが、石上神宮も大神神社もとても古い神社ですから、もともとはこんな巨大で壮麗な建物ではなかったのでしょうね。まるでバロックで、神社のもっていてほしい清々しさのようなのは希薄である気もします。日本の神々というのは、もっとつつましい有り様が本来なのかも。世界の裂け目というか、何かの「あらわれ」というか、アニミズムのよさ、っていうのかな。
観光はいいですね。またどこか行きたいです。