臼杵陽『世界史の中のパレスチナ問題』

日曜日。晴。
カルコス。久しぶりにBOOK OFF。新書と文庫105円棚を見たが、買えるものが殆どなかった。
音楽を聴く。■メンデルスゾーン交響曲第四番(ミュンシュ)。何というか、普通の演奏。いいんじゃないでしょうか。室内楽以外、メンデルスゾーンはほとんど聴かないのだが、ちょっとCDを買ってみるか。■ブラームス:ピアノ協奏曲第一番(グラフマン、ミュンシュ)。グラフマンのピアノが凡庸すぎて、七分聴いて脱落。御免なさい。■ブラームス交響曲第二番(ミュンシュ)。甘くロマンティックなアプローチが、この曲にぴったり。特に終楽章は、鳥肌モノの名演だ! 演奏が終ったとき、演奏会でのように思わず拍手したくなったくらい。

臼杵陽『世界史の中のパレスチナ問題』読了。分厚い新書だ。パレスチナ問題に関して自分は無知だが、これまで読んできたこの問題に関する新書と比べると、解像度が比較にならないほど精密になっていることは感ずる。正直言って自分には完全には把握できないほど、問題が錯綜しているのはわかる。だからこの厚さが本書には必要だったわけだ。読んでいて次第に大きくなってきた思いは、人間の愚かさには限りがないという、凡庸なものであった。本書には倫理的判断が殆どないが、誰が(どの国が)悪いとか云っても、仕方のない歴史になっているとは思う。しかし不思議に思ったのもそこで、倫理的判断なしで歴史が語れるものであろうか。それは隠蔽されていて、読者の知らぬ間にバイアスの掛かった事実の選択が行われている心配はないのか。そこまでは、自分にはわからなかった。偏りのない記述がなされていると、信じたいものである。
 妄想をひとつ。自分の思うところでは、イスラエルパレスチナの問題は、近い将来に解決されることはないだろう。解決される日が来たとしても、それは例えば千年くらい先のことになるのではないか。結末も、どちらかがどちらかを絶滅させてしまうようなものになる気がする。もちろん、この妄想が覆されるのを、希望したいとは思うのだが。


「新人教員の病気退職増 10年前の20倍…精神疾患9割」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111108/edc11110822180002-n1.htm