曇。
右耳の調子がちょっと悪い。散髪。
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最近絵を観ていなかったので、赤瀬川さんの個人美術館を巡る本を読んだこともあり、車で出かける。まずは稲沢の、荻須記念美術館(HP)へ。生誕110年記念の、荻須高徳展がたまたま開催されていて、とてもたくさん(100点近い)の作品が並んでいた。これを観ると、荻須は若い頃から晩年まで、作風に劇的な変化はないことがわかる。ただ、年とともに少しずつ簡素になっていくが。奇を衒ったようなものではなく、着実に、自分の才能に忠実に描いていっているが、猫も杓子も抽象というときは、相当につらかったらしい。ヴェネツィアの風景や人物画などもあるが、荻須といえばパリの建物の絵であり、やはりそれがいちばんしっくりしているようだ。暗い曇天の絵が多いが、気分としてはさほど暗い感じではない。これはこれで、画家として筋の通った一生だったかと思われる。
稲沢から少し戻って、今度は一宮の三岸節子記念美術館(HP)へ。特別展の「佐分眞展」をまず観る。佐分眞(1898-1936)という画家は初めて知ったが、名古屋生まれで、38歳で自殺しているという。暗い、分厚いタッチで、さみしいブルーが印象的だった。人物画がすばらしく、「ナポリの漁夫」(右図)という作品にいちばん感動した。油絵だけで50点近くあって、見応え充分、これはいい展覧会にめぐり合ったものだと思った。
常設展示の三岸節子も観る。抽象が入っていて、佐分眞と比べてしまう(ことになる)と、抽象というのはそれだけで、こちらに訴えかけてくるものの量が減ってしまうことを痛感する。どれだけ力強く色を塗り、造形しても、平板になるのは避けられない。正直言って、悪くはないのだが、つまらなかった。ごめんなさい。
帰りにコメダ珈琲一宮開明店に寄る。珈琲とシロノワールです。
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クロード・デルマス『ヨーロッパ文明史』読了。清水幾太郎の訳文はとても読みやすい。清水は今では殆ど忘れられてしまったが、簡単に忘れてしまってよい学者だろうか。もう少し読まれてもいいと思うのだが。
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坂本龍一の「スコラ」で、浅田彰教授が、モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲K.299を挙げていたので、たいへん久しぶりに聴き直してみる。今まで何を聞いていたのだろう。天上的な美しさではないか! 終楽章など、あまりの美しさに鳥肌が立つほどだ。この曲、ハープのパートはピアノでも代行できるのではないか(そんな必要はないけれど)。モーツァルトの曲の中でも、とりわけ神がかったものだと云う他ない。
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