昼から美術館めぐり

晴。
あざやかなパッチワーク状の剥き出しの大地を歩く、始原的な夢を見る。それが実際と全然ちがうのに、散歩でもするような近所だというのだ。たぶん空は青く、雲は白く、とにかく爽快な感じだった。山もあり、川もあった。川には橋が架っていたかも知れない。

部屋に閉じ籠もっているとよくないので、ひとりでドライブがてら、昼から美術館めぐりをしてきました。
いい天気の下、まずは愛知県稲沢市の、荻須記念美術館へ。高速を使って40分くらい。二度めの今回は特に一般展示はなく、常設展のみで310円でした。荻須高徳はいわゆる近代絵画で、まあ特別に突出した才能というわけでもなく、題材もほとんどがオーソドックスな風景画である。でも、近代絵画は我々の出発点で、こういう「モダン(近代・現代)」をしっかり身につけて生きるか、それとも時代に与えられたものだけを吸収して「才能」だけでふるまうか、そこがいまの分かれ道であろう。現在の若い人たちは、基本的に後者なのだろうな。

エントランス横にたまたま咲いていた、サルスベリ百日紅)。

荻須のアトリエを復元したもの。

奥から入り口を見る。

前はメナード(後記:正確にはダリヤ)の工場。

(愛知県の)一宮市へ戻って、三岸節子記念美術館へ。ここはこれまで何回か来ている。2021.9.15 の石本正生誕100年回顧展は見ごたえがあった。

「絵本原画ニャー!猫が歩く絵本の世界」だ! これはめっちゃ楽しい。猫絵本の原画展ですね。いろんな個性があって、商業的な「小さい個性」というものを考えさせられる。まさに、才能だらけだ。「現代は才能にあふれている」ということをあらためて思う。一般800円。

濃尾大橋を渡って岐阜県に入り、岐阜県美術館へ。

今回は取り立てて大きな企画展はなし、名品展340円。何度も観たものばかりだが、やはりさすがによいものがある。ここが収集しているルドン多数が、本日いちばん見ごたえがあるということになってしまった。「いろとかたち-工芸・立体を中心に」展、IAMAS ARTIST FILE #08 福島諭「記譜、そして、呼吸する時間」も観る。福島諭は岐阜県大垣市IAMAS の博士課程という、つまりは学生らしい。前衛すら意味を喪った現在にあって、アートに従事するのは本当にたいへんだ。若い人には、がんばってほしいと思う。わたしは古い人間なので、アートもつまるところは個性*1なんじゃないかと思っているが、でも、そういうのも既に陳腐な言葉なんだよね。それとも、現在のコンテンツはすべて「効果」に帰着するのか。わたしのような未熟な田舎者が考えてもしかたがないことだけれど、ほんとむずかしい。

外の世界が美しい。


夜。
輪るピングドラム」第18話まで観る。

*1:ちなみにここでわたしが「個性」といっているのは、例えば「みんなちがってみんないい」みたいなそれではなく、すべての「自分らしさ」を破壊し尽くしたところに現れるもの、みたいな。