内田樹『呪いの時代』/松原隆彦『宇宙に外側はあるか』

雨。
図書館へ行く。近くに花見の名所があるので、季節には図書館の駐車場も満杯になってしまうのだが、今日は雨なので空いていた。図書館で志賀浩二の本を買ってもらえないか、聞いてみる。「数学30講シリーズ」が一部揃っていなく、これはよいシリーズなので。図書館への行き帰り、桜のトンネルの中を車で走る。いまいちばんきれいなころで、雨の中でも見られてよかったと思った。

図書館から借りた、内田樹『呪いの時代』読了。ほんと、できるだけネガティヴなことを書かないようにしないとなあ。自分は凡夫なので*1、なかなかルサンチマンから自由になれない。

呪いの時代

呪いの時代

松原隆彦『宇宙に外側はあるか』読了。現代宇宙論の啓蒙書。個人的に目新しい話はほとんどなかったが、宇宙論からは逸れるけれども、物理定数の微調整の問題で、炭素のエネルギー準位の値が絶妙だというのは、ちょっと興味深かった。

ここで問題になった炭素のエネルギー準位は、それがなければ私たちも存在していないはずだから、という理由でフレッド・ホイルによって予言されました。その予言をもとにウィリアム・ファウラーのグループが実験で調べてみると、本当にそれが発見されたのでした。それは、生命の存在と物理法則の間に深い繋がりが垣間見えた瞬間でした。(p.205)

炭素原子は、ヘリウムが二つ結合してベリリウムになり、これがすぐに別のヘリウムと結合して出来る。このことは、炭素のエネルギー準位が特別の値をとらねばならない、というのである。これがさらにヘリウムと結合して酸素原子にならないことも、またうまくできているらしい。炭素原子より重い元素は、炭素を経由してつくられるので、このことは重要である。この話、もう少し詳細が知りたい。

宇宙に外側はあるか (光文社新書)

宇宙に外側はあるか (光文社新書)

*1:どうでもいいけれど、自分のもっている電子辞書の『広辞苑』には、「凡夫」の項がないのですが… と思ったら、これって正しくは「ぼんぶ」と読むのか。「ぼんぷ」ではないのだな。