山田稔『特別な一日』

日曜日。晴。

図書館から借りてきてもらった、山田稔の『特別な一日』読了。滋味がこちらに染み込んでくるような散文だ。この集の中ではちょっと異質だが、「わがオーウェル」には心動かされた。山田稔オーウェルに感動していたとは。オーウェルは自分が学生のとき、英語で読んで感銘を受けた数少ない作家のひとりであり、それもあって、山田の文章に感情移入して読んだのである。オーウェルを読んだ時、自分はその「恐るべき正直さ」とでもいうものに驚かされたのであり、政治的な部分にはほとんど引っ掛かっていなかったのだが、山田稔はと云えば、氏にも政治の季節があったとはまったく意外であった。
 それはそれとして、本書の文章は、言うまでもないが素晴しい散文であり、技術的にもじつに上手いのだが、さらりとしていて技巧が見えない。さりげない木彫りの彫刻のような芸術品である。

特別な一日―読書漫録 (平凡社ライブラリー)

特別な一日―読書漫録 (平凡社ライブラリー)


大瀧詠一の「A LONG VACATION」が聴きたくなる。君は天然色→Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語→雨のウェンズデイ→恋するカレン→FUN×4。「雨のウェンズデイ」が矢作俊彦の『夏のエンジン』を思い出させる。
BEACH BOYS。fun,fun,fun→Please let me wonder。
山下達郎「MOONGLOW」。RAINY WALK→FUNKY FLUSHIN'→Let's Kiss the Sun。吉田美奈子作詞、山下達郎作曲は最強だな。もう自分に刷り込まれてしまっていて、切り離すことができなくなっている。ここから音楽って、進歩したの?
A LONG VACATION

A LONG VACATION

MOONGLOW (ムーングロウ)

MOONGLOW (ムーングロウ)