こともなし

曇。
 
今朝は鳥たちが全然うるさくない。お隣のモチの実はきれいになくなってしまった。ウチの南天の実は残ったかな。みかんの木はダメになってしまって、毎年大量に生っていた実が今年はほとんどないので、鳥たちもつまらなかったかも知れない。
 
NML で音楽を聴く。■シューマンの「クライスレリアーナ」 op.16 で、ピアノはエレーヌ・グリモーNML)。ゴツゴツしていて、爆発的なピアノ。グリモーさん、あいかわらず我が道を行っているな。ティーンの頃の「天才少女」(なんと瑞々しいピアノだったことか!)からここまで、決して消費されてしまうことなく、よくやってこられてよかった。世界を転戦する人気ピアニスト、ってポジションではないかも知れないが(いや、そんなことはないか)、いまとなっては貴重な、大切な音楽家だと思う。

 
昼。
ブラームスの 九つのリートと歌 op.32 で、バリトンコンスタンティン・クリンメル、ピアノはエレーヌ・グリモーNML)。
 恥ずかしながらこの曲集は初めて聴く。恋愛歌曲集で、クララ・シューマンへの想いを込めたそれであるともいわれるようだ。特に甘美な第九曲は十四世紀イランの詩人ハーフィズの独訳にブラームスが曲を付けたもので、ブラームスの全歌曲中、もっとも有名なものだそうである。全九曲をとりあえず聴いてみたところ魅力的なことがすぐわかる。激しく冥い曲が多いが、最後の三曲は一転して甘い。
 現代日本のポピュラー音楽のラブ・ソングと比べると、ブラームスは随分と直接的で重く、激しい感じ。恋愛消滅時代のいまはこんなに直接恋心を歌わないし、概してもっと人工的で薄味だと思う(悪い意味ではない)。何というか、ブラームス(の時代)にとっては、愛がもっと重かったのだろう。
 歌詞対訳はこちらのサイトを参照させて頂きました。ありがとうございます。立派な音楽ブログであると思いました。
 
 
一時間ほど『精神の考古学』を読んで、休憩する。第六部までとりあえず読み終えた。自分のレヴェルを遥かに超えているのでしんどい、本書の射程を(残念ながら)縮減して、日常へ還るほかない。
金柑を食いに外へ出る。麦茶を飲んで静かにする。
 
 
夜。
BBC動画のまだ観ていないものをまとめて観る。かつて「宗教は民衆のアヘンである」といった思想家がいたが、「国家は民衆の狂気である」とでもいいたくなる気分だ。国家というものが我々の中で力を持ち過ぎているようにも思える。国家は不寛容であり、独自のロジックで人を殺し続けて已まない。それを支えるのは民衆である。
 
何が“真実”に?ハイクオリティで話題の動画生成AI『Sora』のすごさ【報道ステーション】(2024年2月16日)
メモ。
 
『山田くんとLv999の恋をする』(2023)第13話(最終話)まで観る。あー、最終回予想外によかったな。山田君の肯定のセリフが、軽いラブコメにふさわしくっていやでもこれも予想外。山田がこんなことをいうなんて! 主人公の茜ちゃん、ほんとどこにでもいるふつーの女子大生で、まあ何だかよくわからないうちにハイスペック超イケメン男子に惚れられているという、都合のいい(?)展開だったな。いや、許すよ、こんなのでいいんです。