「その着せ替え人形は恋をする」(2022)を観る

晴なれど雲多し。
起きてなかなかよい精神状態で、僕がクリエイティブな人間ならうまく仕事に入れそう、という感じなのだが、残念なことにすることのない凡人である。で、仕方ないのでぼーっとしている。本を読んだり音楽を聴いたりなどすれば、この状態は崩れてしまう。
 
スーパー。生の鱈(タラ)の切り身が出始めた。鱈は冬の魚である。
 
昼。
備忘録。3日前にガザ地区からイスラエルへ多数のロケット砲攻撃あり(BBC)、戦闘は拡大し、ハマスの戦闘員がイスラエル領内へ侵入してイスラエル人100人以上を拉致したと報道。日本政府は多くの国同様、ハマスを非難した。
 パレスチナ紛争においては近年稀に見る大規模なパレスチナによる攻撃で、イスラエル首相は「戦争状態」だといっている。最近はパレスチナ紛争が世界的に注目されなくなり、サウジアラビアなどもイスラエルに接近しつつある状況に、ハマス側が危機感を覚えたということはありそう。たとえ注目されないといってもイスラエルによるパレスチナへの攻撃(イスラエル国家はパレスチナ人を皆殺しにしたいと思っているようにわたしには見える)はずっと続いており(例えば7月初頭のヨルダン川西岸地区への大規模軍事作戦)、パレスチナの人びと(若者も含む)は将来の希望をほとんど失っているというのが現実らしい。抵抗しても殺されるし、抵抗しなくても殺される、ならばどちらを選ぶか。いずれにせよ、世界は(もちろん日本人も)パレスチナ問題を忘れつつあった。
 これで、またたくさんの人が死ぬ。
【解説】 ハマスの本格攻撃、イスラエルの反撃 これまでと何が違い今後への影響は - BBCニュース
イスラエルは国家であり、ハマスはテロ組織である。テロ組織はすべて壊滅さるべきであり、テロ組織の戦闘行動はすべて非難さるべきである――というのが論理的で「正義」にかなう思考である。しかし、これはある意味で硬直しており、多数の人びとの希望と生命を無視し、破壊しないではない。もっとも、政治とはそういう「偽善的」なものだということくらいわたしだって知らないわけではない。とはいって、わたしは「政治」というものとどうつきあっていったらよいのか、この歳になってもよくわからない「甘ちゃん」なのである。
 

 
ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。もっちりフルーツスティック シナモン+ブレンドコーヒー462円。
半藤一利『昭和史 戦後篇 1945-1989』の続き。第五章まで読んだ、全部で600ページを超えるので、全体の三分の一くらいか。戦後の新憲法制定の過程については、これまで何冊かの本で読んできた。いろいろ読んできた結果、というわけかどうか、いまのわたしはいわゆる「押し付け憲法論議にはあまり興味がなくなったのを感じる。まあ、「押し付けられたかどうか」については微妙で、いろいろな立論があって、実際どうとでも論じられるだろうが、確かなのは日本側で作っていたのは非常に旧守的なもので、あまり「新時代」にふさわしいといえるような憲法ではなかった。また、日本のトップ層が考えていたのも、旧守そのものであった(とにかく敗戦後の政治家たちは「国体(=天皇主権と天皇による統治)の存続」ばかり気にしていた)。それを思うと、新憲法GHQ の理想に燃えた若い非専門家たちが作った、悪くないものであったような気もする。もし言葉をひねくり廻した、糊塗的な旧守的憲法が採択されたとして、それでどうなったか、歴史の「if」は無意味だが、碌なことにならなかったかも知れない。
 それ以外でも、GHQ の占領統治は日本に「革命的」に作用したのであり、おおざっぱに見て、そこで歴史の流れが大きく切断されたのは明らかだ。もっとも、それがあまりにも明らかなので、最近になって「戦前と戦後の連続性」が強調される向きがあるのも、わからないではないのだが。
 

庭の秋明菊
 
夜。
何か何をするにしてもむなしい。本を読んでも、テレビを観てもネットを見てもむなしい。徒労感。その裏側へ入らねばならない。自分の未熟さを感じる。
むなしいというのは、実感の籠った言葉だなと思う。わたしの気持ちをよくあらわしている。
 
『その着せ替え人形は恋をする』(2022)第12話(最終話)まで観る。うまくアニメ化したなー。原作と甲乙つけがたい出来になってる。最終話の花火大会のシーンにクライマックスをもってきて、さらにCパートの五条君の寝落ちのシーンで終わらせるとか、アニメ作品としてよく作ったなー。さすがに2022年の覇権アニメのひとつだけある。満足。

内容について何も書かなかったな。コスプレしたいガチオタ美人ギャルの海夢(まりん)ちゃんと、衣装を作れる陰キャ男子の五条君のラブコメ。とってもポジティブなストーリーで、嫉妬とかドロドロの展開とか、一切なし。どちらかというと、女性向けの作品かも知れない、五条君の造形には、女子の夢がてんこ盛りになっていると思う。こんな都合のいい陰キャ男子は、いません笑。