宇野重規(聞き手・若林恵)『実験の民主主義』

晴。
 
NML で音楽を聴く。■ハイドン弦楽四重奏曲第六十二番 Hob.III:77 で、演奏はプラジャーク・クヮルテット(NMLCD)。■バルトーク弦楽四重奏曲第二番で、演奏はベルチャ弦楽四重奏団NMLCD)。■ペルトの「エルサレムに平安あれ」「明けの明星」「石膏の壷をもつ女性」「鹿の叫び」で、指揮はスティーヴン・レイトン、ポリフォニーNML)。

 
スーパー。気持ちのいいよい天気。秋の好天、というところか。とはいっても、暦の上では今日は立冬なのだそうであるが。
 
昼。
ひとりごと。ネタニヤフ首相を見ていると、たくさんの人の血が流れたり死んだりするということに、無感覚であるというか、それがどういうことか想像力が及んでいなさそうなのを感じる。愛国心とか正義とかいう言葉や、メンツが大事な、政治家とはそういうものなのだろうな、とは思うのだが。(日本を含む)西側先進国の政治家たちも同じで、テロ組織を支援できないという「正義」により、無辜の民衆の大量虐殺(ジェノサイド)をやめさせるよう、イスラエルに強く出ることができない。我々バカな民衆の感覚とは、食いちがってしまっているが、民衆でも理性的なかしこい人たちもいて、殺戮を見て感情に動かされる我々バカをどこか冷笑しつつ、「解説動画」などでさかしらなことをいっていたりする。
 
【解説】 イスラエルとハマスの行動、戦時国際法の上ではどうなのか?(BBC) - YouTube
これを観ると、ハマスは明確に「有罪」、一方でイスラエル側は「厳格に戦時国際法に則っている」と主張している。わたしも戦時国際法は重要であると思うし、また、現状に追随して「法」をアップデートしていく努力は必要だろう。しかしわたしは一方で、何かむなしさも感じる。言葉、か。言葉はきわめて大事だが……。
ガザで民間人の被害は増え続け、イスラエルは一時的休戦を拒否……長期的展望はあるのか(BBC) - YouTube
 

 
宇野重規(聞き手・若林恵)『実験の民主主義』(2023)読了。めっちゃおもしろかったし、わかりやすかったが、同時に自分の無知が原因で、むずかしかったなあ。結局わたしがふだん、政治に興味がないわけではないのに、「民主主義」という言葉にあまり興味がないからである。そもそも「民主主義」って、何かわたしにはよくわからないし、それゆえに、「民主主義」をどう考えていったらよいかも、手がかりがない感じだ。ということはつまり、「政治に興味がないわけではない」といいつつ、政治のことをよく知らない、わたしは、ということになるのだろうな。孤独で受動的なわたしは、どうやって現実の「政治」を知ったらよいのか。そもそも、そんなことが我々に必要なのか、そして我々のすべきことなのか。政治的でないことなどない、という考え方もある。例えば、わたしが孤独に部屋で無為に寝ころがっているのだって、政治的に解釈することもできるだろう。実際、いま一部で注目されている、中国の「寝そべり族」というのが、はっきりと政治的に意図され、語られているとおりだ。しかし、わたしは、あまりそういう考え方をしたくないようだ。それにも既にアナーキズムという名が付いているが、わたしはそれ以前に、人間の原初的段階においては、「政治」などというものは存在しなかった、という気持ちが強い。まあ、そのような原初的段階を「理想化」することだって、ロマン主義などと名付けられてしまうかも知れない。言語的汚染、やれやれである。我々は何でも既知の概念に落とし込んで、安心したいからな。
 

 
夜。
漏斗状の「地獄」を掘り直して、世界軸 axis mundi を通す作業。精神のオートマチズムが、仕方なく(?)それを行なっている。しんどい。
 
風呂を出て九時すぎにすぐ寝てしまう。