こともなし

晴。
生きとし生けるものへの惻隠の情は、心の土台である。何度でもここへ還ってくること。
 
モズがけたたましく鳴く。お隣の大きなモチの木(赤い実がいっぱい生っている)とウチの檜に小鳥がたくさん来ている。
スーパー。
 
昼。
イスラエルのガザ攻撃のニュース映像がひどすぎて、つらくてちょっと見るに堪えない。わたしはあまり見ないようにしているが、それにつけても思うのが、心情とロジックの乖離である。中にはガザの惨状を見て心を傷めない人もいるかも知れないが、そういう人は措く。しかし一方で、イスラエルや(日本を含む)西側諸国のロジックとして、ハマスはテロ組織である、テロ組織を支持することはできない、というのがある。また、ハマスは病院や民衆を「人間の盾」として使っている、それは許されず、ゆえに病院や民間人を攻撃することも已むを得ない、というイスラエルのロジックを、西側諸国は論理的に崩すことができない。もちろん戦時国際法では病院や民間人を攻撃することは許されていないが、「人間の盾」として有る病院や民間人(しかし、それは本当に「人間の盾」として使われているのか)を攻撃してならないかは、戦時国際法では明確でない。そこがこれから、どうなるか、ということはあるが、とにかくいまはイスラエルの主張を崩せない。
 いずれにせよ、心情とロジックは時に相反し、現代の世界はロジックが優先する。わたしはむなしさを感じずにはいない。
 先日見ていたニュースで、ガザの自宅の窓を開けようとした少年が、イスラエルの狙撃兵に殺されたというのがあった。これなんかは、無条件的な民間人の殺害ではないのかと、思わされた。明らかな戦時国際法違反。しかし、だからってどうなるというのか。ハマスだってそういうことをやったのだ、といわれればそうである。むなしい。
 それにしても、イスラエル(人)の頑なな態度には、(言葉は悪いが)きちがいじみたもの、狂気を感じる。彼ら彼女らは、外からそんな風に見えるというのを、意識していないだろう。外部からの視線を遮断している。これを、(言葉の通じない)他者というのだと実感する。
 

 
夜。
やくしまるえつこ 羽田空港第2ターミナル国際線到着エリア サウンドアート / Yakushimaru Etsuko - Haneda Airport Terminal 2 Sound Art - YouTube
 
玄侑さんの続きを読む。「うんたらかんまん」。重苦しい短篇だ。
 
早寝。