こともなし

晴。
昧爽起床。涼しく、もはや夏の朝ではない。
 
NML で音楽を聴く。■モーツァルト弦楽四重奏曲第十五番 K.421 で、演奏はクリーヴランド四重奏団(NML)。

モーツァルト弦楽四重奏曲第十四番 K.387 で、演奏はクリーヴランド四重奏団(NML)。このカルテット、NML に少ししかないのだな。ちょっと残念。
 
ごろごろぼーっとする。
 
昼。
マーラー交響曲第六番で、指揮はクラウディオ・アバドベルリン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。2004年のライブ録音。知情相備わった晩年のアバドが、最上級のオーケストラを駆使した現代最高のマーラー。全体から細部に至るまで妥当というしかなく、おかしなことは何もしていないし、それでいて感動させるところはきっちりさせてくる。わたしはアンダンテ・モデラートでほとんど泣きそうに。いやしかし、ポストモダン音楽の頂点たるこのマーラーの演奏を我々は聴かないし、仮に聴いたとしても理解する能力がないから大丈夫だが、へたにこれを理解などしてしまったら、大惨事になってしまうだろう。というのはまあ冗談。なお、この演奏では最近の慣例である、第二楽章にアンダンテ・モデラート、第三楽章にスケルツォをもってくる順番になっているが、わたしは古い習慣にどうしようもなくなじんでしまっているので、両者を入れ替えて聴いた。注記しておきたい。

 
 
いつものイオンモールへ駐車場の入り口まで行ったのだが、急に気が変わって国道21号へ出る。国道を東へ、かつて一度訪れたことある珈琲屋「明楽時運」(アラジン、と読む)の駐車場に頭を突っ込んだが、あまりにも混雑していて、中が思いやられたので却下。近くのコメダ珈琲店各務原那加住吉店で、いいかとなる。なんだかひさしぶりにミニシロノワール(+ブレンドコーヒー860円)が食いたくなり、注文。コメダが近くにあってシロノワールを食べたことがない方は、是非どうぞ。熱々のパンと、シロップをかけたソフトクリームを一緒に食うんだぜ。
 西村賢太の短篇集『寒灯』を開く。「寒灯」とは寒い冬の日のともしびのことで、もうほとんど死語だろうな。著者らしい。短篇二つを読む、秋恵と同居し始めた頃のエピソードを書いていて、貫多のクズぶりもさほどではなく、寒い主人公の人生におけるささやかな灯びのような日々だ。DV もない。だが、へんな話、それだからこそ、些細な諍(いさか)いに却って胸が傷んだりする。西村賢太と同じ昭和の人間たるわたしも、どうやらアニメなんかの観すぎで甘くなっているのかも知れない。
 
肉屋。豚かたまりが広告の品で、よさそうなのが 100g で 188円と、お値打ちだった。
 

 
夜。
中秋の名月。虫が大きな声で合唱する中、きれいに見えた。ウチのあたりは(田舎ながら)夜もかなり明るいので、星はあまり見えないのだが、月はまだ皓々としている。
 
ゆたさんのブログで教えられた Hakubi というバンドを YouTube で聴く(例えばこれこれ)。わたしはポピュラー音楽をよく知らないのだが、すべてやり尽くされている中でマジメにバンドをやるって、ほんと大変だと思う。以下、一般論だが、いまはロック自体、どちらかといえば保守的な音楽だしな。ま、わたしの聴くクラシック音楽も、現代音楽にせよ演奏家にせよ、小粒になっていろいろ行き詰まっているのは一緒だし、そもそも、音楽に限らない、何だって同じだ。とか、わたしごときが上から目線で、いっているわけじゃありませんよ。わたしなんか、老年が近づいても、特に何者でもありませんし、全然たいしたことない、ただ何も残すことなく消えていく凡人にすぎない。