ペ・スア『遠きにありて、ウルは遅れるだろう』 / 大濱普美子『猫の木のある庭』 / 「君は放課後インソムニア」(2023)を観る

晴。
 
ニラ(韮)とマルバルコウ(丸葉縷紅)。


いずれも雑草として強い。
 
昼。
お気持ち傷つけ罪@中国: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
中国むちゃくちゃだなと思ったのだが、確かに濱口先生のおっしゃるとおり、日本その他でも実質的に「『お気持ち傷つけ罪』が氾濫して」いるのかも知れない。かくもコミュニケーションはむずかしい、という話が、斜めの方向へ政治化していくとおそろしいな。わたしなんかは、「傷つかないようなコミュニケーションは無意味である」といった浅田さんに共感するというか、それが当たり前だと思うのだが、まあ時代は変わるしね。もっとも、孤独に安心する、コミュニケーションなどしたくない、というところもあるわたしだから、どの口で「傷つくべきコミュニケーション」などというのか、といわれたら返す言葉がない。
 
学校図書館は何のためにあるのか? - 内田樹の研究室
講演録。長い。けどなかなかおもしろかった。この人、確かに自分を開いているところがある。よい意味で不透明。むちゃくちゃではあるのだが、一種の器になっているのだな。
「学びの姿勢として一番良くないことは、頭の中にガラクタな知識や情報が詰まっていて、もう新しい知識や情報が入る余地がないということです。『無知』というのはそのことなんです。『無知』っていうのは、頭の中にジャンクな知識がいっぱい詰まっていて、もう新しいものが入らないという状態のことを言うんです。」
ほんとにそのとおり。皆んなこれで、知識や情報が頭に詰まってありすぎるのだ。頭をカラッポにして、バカになること。これが却ってむずかしい。
 
 
図書館から借りてきた、ペ・スア『遠きにありて、ウルは遅れるだろう』(邦訳2023、原著2019)読了。斎藤真理子訳。承前。実験的な小説で、なかなかおもしろかった。筋というものがほとんどない。

 
大濱普美子『猫の木のある庭』読了。幻想短篇集、とでもいうか。 
ヴァレリー・アファナシエフ『天空の沈黙 音楽とは何か』を読み始める。
 
 
夜。
『君は放課後インソムニア』(2023)第13話(最終話)まで観る。あんまりアニメっぽくないから「神アニメ」とはいえないが、とても心に残る作品になった。大げさなところのない、静かで等身大のラブストーリーだった。それぞれに事情があって夜眠れない高校生男女が出会って、「天文部」を作って少しずつお互いを変えてゆく。眠れない、というのと「天文部」ってのがよくマッチしていた。ほとんど話題にならなかったのが不思議なくらい感動的だったけれど、まあ地味といえば地味な作品だからな。原作がどうなっているのか知らないけれど、終わりもきれいに終わったし。ほんとよかった。
20230909234512
(後記。たまたま観た人の評価は決して悪くない。田舎(石川県七尾市)が舞台なのも雰囲気が出ていた。)