種村季弘対談集『東京迷宮考』

晴。

ムスビの力は関係ないものを結んでいくそれだと中沢さんは仰っていたけれど、わたしもそういう働きを渇望している。

マックスバリュ。肉屋。

NML で音楽を聴く。■モーツァルトのピアノ・ソナタ第四番 K.282 で、ピアノはヴィルヘルム・バックハウスNML)。

 

昼からミスタードーナツ イオンモール扶桑ショップ。ザクザク クロッカンシュードーナツがうまかった+ブレンドコーヒー473円。
図書館から借りてきた、種村季弘対談集『東京迷宮考』読了。今日読んだところでは、前田愛さんとの対談と、もひとつ井波律子さんとの対談がおもしろかった。前田愛さんとはなつかしい。学生の頃何だかむずかしいことを書かれる日本文学者だなあと思いながら読んでいたのだが、ここでは種村さんと食べ物そのものについて、それから食べ物と文学について、蘊蓄を傾け合っておられる。いやあ、この人もラビリントスだなあ。東京の話ばかりでなく、様々なことについて語り合っているのもいい。江戸、中国、現代。いやいや、こちらの無知でついていけないところがすばらしい。井波律子さんとは、中国の隠者の話。隠者というのはじつは孤独ではなくて、ネットワークをもっているのだとか。でもまあ、ネットワークをもたない隠者もいたのだろうが、そういう人は歴史の闇に跡形なく消えてしまったのだろうな、とわたしは思う。中国の隠者は老荘か神仙のどちらかだという話もあったが、仏教系の人たちも取り上げて欲しかったなあ。
 種村さんは現代の情報化社会についてもいろいろコメントしておられるところが頭が若い。しかし、まあ20世紀の範疇で、ネット文化などについては、どうだったのだろう。ネット文化とラビリントス。ある時期までのネットにはアナーキーな場所があり、インターネットが迷宮的だったところもあったが、ネットこそが表の世界になったいまでは、いかがわしい冥い空間は少なくなったかのように、わたしは感じている。これからはむしろネットが正規空間になり、いわゆるリアル世界の方がアンダーグラウンド的になっていくだろう。攻殻機動隊の世界?笑

コーヒーを飲みながら種村さんを読んでいて、ふと顔を上げてガラス壁の外を見たら、遠くの青い空と夏の雲が眼に飛び込んできてしばらく見とれた。帰ってくるときも空と雲と植物の緑の風景が美しかったが、東京どころかどうしようもない田舎である。これじゃ、ラビリントスとかいってもね笑。

ひさしぶりにカルコスに寄る。岩波文庫の『ゴヤの手紙』や、山口尚氏の新書本など。