晴。
音楽を聴く。■バッハ:ソナタ ニ長調 BWV963(アンジェラ・ヒューイット、参照)。このディスクのヒューイットはいいなあ。
高橋源一郎編『読んじゃいなよ!』読了。明治学院大学の高橋ゼミによる、岩波新書とのコラボレーション。岩波新書をゼミで読み、その著者たちと実際に対話するという試みの記録で、哲学者の鷲田清一、憲法学者の長谷部恭男、詩人の伊藤比呂美が呼ばれている。途中まではどうしようかと思った。僕は鷲田清一も長谷部恭男もどうも苦手であるせいか、読んでいて気が滅入ってきて、このままいくと自殺しそうなくらい(ウソ)落ち込んだ。でも、伊藤比呂美で救われました。いやー、笑った、この人野生動物ですね。ホント原始的なすごいパワーです。どうでもいいが、これから仕事なのでうんこして歯を磨くときに鏡を見たら、いい男が映っていて驚いた。伊藤比呂美の原始的パワーのせいだと思う。なお、本書のゼミ生たちの発言で心に響いたものはほとんどなかった。これが自分のダメダメなところなのだと思う。時代遅れのおっさんなのですね。
読んじゃいなよ!――明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ
- 作者: 高橋源一郎,鷲田清一,長谷部恭男,伊藤比呂美
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2016/11/30
- メディア: 新書
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源一郎さんによると、本を殆ど読んだことのないゼミ生たちだけれど、ドストエフスキーもカフカも小島信夫もジャン・ジュネもどれも「マジやばい!」(野暮に注しておくと、これは彼ら彼女らの最高度の褒め言葉なのである)だったそうである。ただ、そう、誰もかも「先生、このコバヤシ、って人、なんでこんなに威張ってんの?」だったそうだ。コバヤシって誰かと言うと、「批評の神様」小林秀雄ですね。これを読んで、自分は非常にさみしかった。自分が時代遅れなのは当然な気がした。小林秀雄が心血を注いだ彼の文章は、現代ではもう生きていないのだな。まあそれが事実なのだろう。瞑目すべし。
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宇多田ヒカルを聴く。
30代の前半頃だったか、一時期よく聴いていたのだが、改めて聴いてみて大変なものだと感じた。正直言って、あの頃はまだこの音楽がよくわかっていなかったといまでは思う。僕は才能だけというのはさほど驚かないのだが、しかしいま聴いてもすごい才能だ。そして実力者である(もちろん、才能と実力は同じものではない)。このアルバムはものすごく売れたわけだが、当然だと思う一方、何かの間違いではないかという気もする。この実力は、誰でもわかるというものではないからだ(エラそうで御免なさい)。すごくパワーがあるので、僕などはいまフルアルバムを聴いて、かなり疲れたくらいである。この若き才能が、ここからどうなっていったのか、自分はまったく知らないが、ちょっとフォローしてみたい気になった。
- アーティスト: 宇多田ヒカル
- 出版社/メーカー: EMI Records Japan
- 発売日: 1999/03/10
- メディア: CD
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しかし、アマゾンのレヴューが揃いも揃って R&B って書いているのは何? 他人の貼ったレッテルを繰り返すのはいいけれど、自分の耳で聴かないと意味がないと思う。モーツァルト=ロココみたいな紋切り型ではないか。別にまちがってはいないけれど。そういえば浅田彰さんはモーツァルト=狼の疾走(Wolfgang)と言っていたな。