家族で東濃の中山道「大湫宿」へ

日曜日。晴。
音楽を聴く。■C.P.E.バッハチェンバロ協奏曲イ長調 H.476(アスペレン、参照)。C.P.E.バッハはマイナー作曲家の中では大きな存在だな。おもしろい。■ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ (クリスチャン・フェラス、参照)。

二三日前から「日曜日はお出かけ日和」ということだったので、またまた家族で遊びに行ってきました(遊んでばかりですね)。今日は中山道の「大湫宿」というのが主目標です。まずこれ、なかなか漢字が読めないですよね。「おおくてしゅく」と読みます。東濃(美濃東部)の御嵩瑞浪の間の山間部にある、旧中山道の宿場です。朝から予報どおりの好天で、9時すぎに出発、国道21号をひたすら東進です。各務原から坂祝、美濃加茂、可児、御嵩と、ずっと国道21号なのですね。坂祝町は小さい自治体のせいか、せっかく木曽川ときれいな山々があるのに、景色が荒れている感じでした。美濃加茂ソニー工場は撤退しましたね。なかなか地方は大変です。
2016年秋・冬_40 御嵩から「鬼岩(おにいわ)」をかすめて、まず「道の駅志野・織部」に寄りました。名前でわかる人もおられるでしょうが、このあたりは陶器が地場産業で、道の駅ではもちろん陶器をたくさん揃えてあります。食器類を中心にさすがにセンスのよいものが、しかも市価の15〜20%引きの価格で売っていて、とても見応えがありました。見るのがおもしろくて、随分と長居してしまったくらいで、僕もひと目見て気に入ったコーヒーカップがあったので買いました(値段は書きませんが、ケチな僕が安すぎると思ったくらいの価格でした)。こういうのを見るのが好きな人にはかなりお勧めの道の駅です。ちなみに人も駐車場も混んでいましたね。
 で、土岐に抜けたので、瑞浪のうどん「かま濃」で先に昼食をとりました。昼時でさらに人気店らしく待っている客が少なくなかったですけれども、諦めて帰る人も多く、15分くらいで入店、海老おろしうどんを頂きましたが、我々には充分満足できる味でした。コシのあるうどんが(まことに平凡な言い回しですが)うまかったです。なお、外で待っている間まわりの山々を眺めたりしていましたが、田舎でいいところですね。色づいた山々が期待させてくれますが、じつはこの先はさらにすばらしかったのでした。
大湫宿」へは、瑞浪の国道19号から中大島交差点より旧中山道の細い道へ入ります。急な山道で、車一台ぶんの幅しかないところがほとんどなので、多少運転には注意が必要かもしれません。周囲の紅葉はかなりすばらしいです。広い場所に車を駐めて写真を撮ったりなどしましたが、紅葉はむずかしいですね。結構枚数は撮ったのですが、気に入ったものは一枚もありませんでした。
2016年秋・冬_41
しばらく山道を行くと、途中で豁然と開けます。大袈裟にいうと桃源郷が現れたような、山間の鄙びた村が「大湫宿」です。余分なものも商売気もあまりなく、鄙びたというか、この平成の世にあってすら中山道の雰囲気がそのまま(気分として)残っている感じで、なんともいえないですね。もちろんこれは、この(現代における)交通の不便さがそうさせているわけです。ここで商売するにも、大きい道路を通さねば無理でしょう。もちろんここは桃源郷ではないですが、時間の流れは確実にゆるやかです。
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こうした古い建物が残っています。
2016年秋・冬_55
高札場です。
2016年秋・冬_45
中山道とは関係ありませんが、愛らしい小学校です。

2016年秋・冬_54
ここにふさわしい、神錆びた杉の巨木でした。神明神社境内にあります。
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次の細久手宿への峠道が整備されていて、歩くことができます。
2016年秋・冬_63
細久手宿への街道沿い、山の中にほぼ原型をとどめた一里塚がありました。かなり山深いところで、驚きました。
結局大湫宿は2時間近く歩き廻ったでしょうか。好天の中、とてもよい気分でした。観光客は我々の他に1組か2組だったほどでしょうか。神社の芳名帳には今日の日付で何組かの記載があったので(東京から早い時間に訪れておられる方がいたのには驚きました)、人がこないわけではないですが、この観光シーズンとしてはガラガラ空きというところでしょう。おなじ中山道でも、馬籠や妻籠などは、今日は大変なことになっていたでしょうが。なおここには、食べ物屋どころか自動販売機ひとつありません。車で来られる方は細い山道だけお気をつけ下さい。
 2時くらいに帰途につきました。大湫宿からは次の宿場である細久手宿へ細い山道を抜け、細久手宿を少し見物したあと、山の中をずっと西進しました。しかしそれも、国道21号に出ればおしまいで、あとは坦々たるよい道を帰るだけです。途中夕食の買い物に寄ったりして、4時半くらいに帰宅。総走行距離は122kmくらいでしたか。小観光でしたが、とても楽しゅうございました。