橋本國彦の音楽

ナクソスの「日本作曲家選輯」で、橋本國彦(1904-1949)の音楽を聴く。橋本は四十四歳で亡くなっているが、最初の二曲は早い最晩年の作品である。交響曲第二番は一九四七年の作曲。わかりやすい通俗的なメロディの曲で、とても保守的な音楽語法で書かれている。さほど音楽的価値の高い曲とは云えないが、メルヘンチックなオーケストレーションの色彩感の豊かさはが特徴的だ。「三つの和讃」は親鸞の和讃(バリトンが歌う)にオーケストラの伴奏を付けたもので、珍妙である。ちょっと笑ってしまうような作品だが、作曲者はもちろん大真面目だったのだろう。これも色彩感は豊か。
 若い時の「感傷的諧謔」(1928)を聴くと、橋本の価値がわかる。晩年の作品ほど個性ははっきりしていないが、じつに変った曲の構成はオリジナリティがあり、また色彩感の豊かさも既に出ている。これはちょっと面白かった。
 全体的に、湯浅卓雄の指揮は素晴らしい。曲の色彩感がよく出ている。藝大フィルハーモニアというのは初めて聴いたが、ちゃんとプロ集団だそうで(学生オケではない)、なかなかいい。演奏のレヴェルは高いと思う。

橋本國彦:交響曲第2番/三つの和讃/感傷的諧謔

橋本國彦:交響曲第2番/三つの和讃/感傷的諧謔


音楽を聴く。■ヘンデル組曲第二番、第三番、第五番、第八番(リヒテル)。第五番は、終楽章が有名な「調子のよい鍛冶屋」変奏曲なのだが、それ以上に他の楽章がいい。誇張のない、穏やかだが充実した音楽。第八番もいいね。

※現代音楽のピアノ曲You Tubeリスト(参照)。
ショスタコーヴィチピアノ三重奏曲第二番op.67(アルゲリッチクレーメルマイスキー)。飛んでもない演奏。こういう演奏を聴くと、ショスタコーヴィチベートーヴェン以降、最もベートーヴェン的な作曲家だったと思わざるを得ない。何という名曲! →こちら