木村陽二郎『私の植物散歩』

晴。
木村陽二郎『私の植物散歩』読了。植物学は著者の本業であり、本随筆集は長年の学究生活の余滴である。植物に詳しいことは当然だが、著者は古典文学の造詣が深く、本書には万葉集を始めとする、多くの日本の古典からの引用・言及がある。文章も、落ち着いた立派なものだ。学者の書いた随筆集として、第一級のものではあるまいか。採り上げられている植物は、日本人にとって身近なものが殆どである。

私の植物散歩 (ちくま学芸文庫)

私の植物散歩 (ちくま学芸文庫)

音楽を聴く。■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第三十番、第三十一番(リヒテル 1972,1965)。いやあ、これは素晴らしい。名曲の最高の名演だ。リヒテルは全盛期と云っていいだろう。

サッカー日本代表、W杯出場おめでとう! 仕事場を出たときは、後半43分で負けていたので、暗い気分で帰宅しました。そしたら、ロスタイムに追いついていたとは。本田はやはり、何か持っているね。
それから、それとは関係がないけれど、下で暗いことを書いているが、文体を変えないといけないと思う。まあ、あまり変ったように見えないかも知れないが、変わることを怖れないようにする積り。

最近どうも元気が出ない。原因はわかっている。一つは、日本が経済的、文化的に没落していくという事実。もう一つは、今の子供たちの集合的無意識。これら二つが絡みあって、どうも気が晴れないのだ。もちろん、こんなことは自分に関係のないことであり、関係があるとしてもなかなかどうしようもないことなので、考えても仕方ないとはわかっているのだが、執拗に付きまとってくる。これらを冷静に眺められる日が、早くきて欲しいものだと思う。