ヤスパース『われわれの戦争責任について』/中沢新一『日本文学の大地』

日曜日。晴。
音楽を聴く。■テレマン:序曲ニ長調TWV55-D23(ペイエ、コレギウム・インストゥルメンターレ・ブリュヘンセ、参照)。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第二十七番K.595(ピエール=ローラン・エマール、参照)。悪くないが、平凡な感性の欠けた演奏。頭がよすぎるのだな。でも、何度も聴くべきものではある。それにしても、こういうユニークな演奏を許容するモーツァルトは、懐が深い。■モーツァルト交響曲第三十五番K.385(ベーム参照)。何だかやたらとベームモーツァルトが聴きたかった。■ショパンマズルカop.63-1, 63-2, 63-3, 67-1, 67-2, 67-3, 67-4, 68-1, 68-2, 68-3, 68-4(サンソン・フランソワ)。聴いているうち、自分が聴きたかったのは op.67-2(第43番)だったことに思い当たった。どうしてこの曲がピンポイントでツボにくるのかは、わからない。op.67-4 もいいね。ショパンマズルカは時々聴きたくなるなあ。フランソワは、フランスのピアニストの中では、最も天才を感じる。

Samson Francois: L'edition Integrale

Samson Francois: L'edition Integrale

図書館。

カール・ヤスパース『われわれの戦争責任について』読了。戦争責任ということに関して、神を引き合いに出していいものであろうか? これは本書だけのことではないが、倫理の基盤を神の上に据えていいものであろうか? それが、一神教徒に対する自分の疑問である。神が許せば、何をしてもいいというのか。そのような神とは何か。
われわれの戦争責任について (ちくま学芸文庫)

われわれの戦争責任について (ちくま学芸文庫)

中沢新一『日本文学の大地』読了。ああ、ついに読み了ってしまった。もったいないから、ちびちび読んでいたのだけれども。本書は新刊だが、文章は二十年近くも前のものである。あとがきに拠ると、中沢さん自身も書いていたのを忘れていたらしい。いや、世に出てよかった。
 本書の元の原稿は、小学館の日本古典文学全集の月報に連載されたものが主である。日本の古典文学に関し、中沢流の闊達なエッセイが読める。それぞれは短いもので、僕はこうした短い文章を集めた本が好きなので、これからも何度も読み返すだろう。それにしても、精神の豊かさというのは、こういう文章のことを指すのではないだろうか。
日本文学の大地

日本文学の大地