山崎ナオコーラ『カツラ美容室別室』/円城塔『オブ・ザ・ベースボール』/唐木田健一『原論文で学ぶ アインシュタインの相対性理論』

雨。


山崎ナオコーラ『カツラ美容室別室』読了。若い人たちの日常を淡々と描く小説、つーか。何だか読んでいて恥ずかしかった。こういうことは幼稚園で終りにしたいものだと切望する。

カツラ美容室別室 (河出文庫)

カツラ美容室別室 (河出文庫)

円城塔オブ・ザ・ベースボール』読了。二つの短篇。円城塔は初めて読む。表題作は奇妙で退屈。でも、退屈でいけないというわけではない。ペダンティックで、特に理系のペダントリーが知識的に正確で気持ちがいい。
 併録の「つぎの著者につづく」は、自分にはとても面白かった。でも、万人がそうだとは断言できないが。ここのペダントリーは、表題作のよりも熾烈に好みだ。もう、注があるのが残念で仕様がない。この注、絶対に野暮ですよ。ミスティフィカシオンを楽しみたかった。
 しかし、円城塔ってそんなに難解なのですか。他の作品がそうなのかな。もっと読みたくなった。
オブ・ザ・ベースボール (文春文庫)

オブ・ザ・ベースボール (文春文庫)

唐木田健一『原論文で学ぶ アインシュタイン相対性理論』にざっと目を通す。原論文「運動している物体の電気力学について」の翻訳と、それに対する詳細な解説から成る。原論文は、よく纏っているということで、学生は勉強するように勧められるものだが、実際に読んでみると、読み解くのは相当に面倒くさい。式や記号が、現代において標準的な形になっていないし、計算などは(論文だから当り前だが)相当な省略がある。本書は限界まで丁寧に解説しているのだが、正直云って、自分はすらすら理解するとはいきませんでしたよ。やはり相対性理論を勉強したいなら、最初はやさしい教科書を読んだ方がいいと思う。それから、本書の表紙には、有名な の公式が印刷されているが、原論文「物体の慣性はそのエネルギー含量に依存するか?」には、そのままの形では出てこないので、注意。
数学の難問「ABC予想」、京大教授が解明か」。望月新一氏の原論文。もちろん自分には理解できません。Wikipedia -ABC予想