川上未映子『六つの星星』

雨時々曇。
大垣。BOOK OFF大垣バイパス店。
川上未映子の対談集『六つの星星』読了。優れた文学者というのは、そもそも他と違っているのが当然といえば当然なのだが、川上未映子もまたそうだ。生きることそのもののズレといったものが、彼女にはある。彼女が「哲学的」とも呼ばれ、実際に永井均のような哲学者(本書に彼との対談が収められている)に親しんでいるのも、そうした資質によるものだろう。斎藤環との対談でもよくわかるように、彼女の小説はあからさまに性的でもあるのだが、普通の女性性からもズレているように見える。おもしろいな。

六つの星星―川上未映子対話集 (文春文庫)

六つの星星―川上未映子対話集 (文春文庫)


エレーヌ・グリモーのピアノを聴く(というか、正確には昨日聴いたのだが、感想はここに書いておく)。ショパンラフマニノフの共にピアノ・ソナタ第二番。すごいテクニックで、ガンガン弾いている。音は粒立ってはいないけれど、きらめきが美しい。こういうピアニストは、昔はいなかったね、というか、ここまで弾けるピアニストはなかなかいなかったせいもある。色彩感を覚えるピアノの音だ。解釈は個性的で、これはもう少し聴いてみないと判断しにくい。情感のコントロールは得意でなさそう。で、既にたくさんCDを出しているのだな。タッチが乱暴っぽいのは苦手なところだが、スケールは大きいし、ちょっと意識に入れるに値するピアニストだろう。
ショパン&ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番

ショパン&ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番

ブゾーニの編曲した、バッハのシャコンヌの演奏を貼っておく(何故か二つに分けられているが)。しかし、(どうでもいいが)美人ですね。


この曲には、ミケランジェリのあらゆる意味で完璧なライブ録音がある。自分はミケランジェリの方が好み。これも You Tube にあったので、貼り付けておく。

CDはこちら。総じて音質は良くないので、注意。
Chopin/Bach: Seven Wonders

Chopin/Bach: Seven Wonders


尖閣問題で、中国はどこまでやる気なのか。領土紛争的な小競り合いくらいなら(かつてソ連と、今でもインドなどとやっているように)、充分やってくる可能性はあるだろう。それ以上は中国としてもリスクが大きすぎて、望むまい。しかし、中国にとっては「小競り合い」でも、日本の受け止め方は「戦争」ということになるだろう。その辺りの認識の違いが恐ろしいと云えば、そうである。もちろん、「小競り合い」であろうが、ないに越したことはないのだが。本当にイヤな話だ。