伊藤聡『神道とは何か』/平田篤胤『霊の真柱』

晴。
プール。アピタとその本屋。網野善彦の新書を買ったら、旧版が既に家にあった。どうも一度読んでいるのだな。うーむ…
伊藤聡『神道とは何か』読了。本書は、神道とは「神祇信仰(あるいは神信仰)と仏教(およびその他の大陸思想)との交流のなかで、後天的に作り出された宗教」(p.285)であるという基本的な立場で、様々な角度から神道を考察している。鬱蒼とした学の開陳に、老大家の著作かとなんとなく思いながら読んでいたのだが、著者は中堅どころという年齢で、驚かされた。それも同郷の人で、優秀な学者だということが、何となく嬉しい。神道は、もともと仏教を通して宗教的自覚がなされてきたものであり、とても早い段階から仏教と習合しているが、中世の吉田神道以来、時代と共に純化の方向に向かったというのは興味深い。明治の廃仏毀釈は、その流れが悪しき仕方で噴出したものであろう。宗教の純粋化というのは、はた迷惑なことが多いが、そのひとつの例になっているかとも思われる。

神道とは何か - 神と仏の日本史 (中公新書)

神道とは何か - 神と仏の日本史 (中公新書)

平田篤胤『霊の真柱』読了。校注者の子安宣邦はよく知らないが、解説の文章がひどい。もってまわった、思わせぶりの悪文。
霊の真柱 (岩波文庫)

霊の真柱 (岩波文庫)