ブリア‐サヴァラン『美味礼讃(上)』/ハイドンのピアノ・ソナタ

晴。
ブリア‐サヴァラン『美味礼讃(上)』読了。原題の「味覚の生理学」の方が、内容に合っているような気がする。モラリスト文学に繋がっているところもあるかと。単にあれが美味い、不味いというような本ではない。

美味礼讃 (上) (岩波文庫 赤 524-1)

美味礼讃 (上) (岩波文庫 赤 524-1)


今カーステレオには、ヴァルター・オルベルツの弾くハイドンのピアノ・ソナタ全集が入っていて、これが車で聴くにちょうどいい。このところ、ハイドンの奥深さに目覚めて、よく聴いている。演奏もシンプルで清潔、切れもあって感心する。ハイドンにぴったりだ。ハイドンはシンプルなのだが、時にはモーツァルトを超えるほどの射程がある。古典的な和声機能が、何とも新鮮なのだ。
 ハイドンのピアノ・ソナタは、有名ピアニストではリヒテルブレンデルがいい。リヒテルがもっと録音を残してくれていればな、と思う。それから、やはりグールドも逃せない。ハイドンはグールドに合わないところもある(一言でいうと、ハイドンは耽美的でない)が、目の覚めるような演奏を聴かせるときがある。グールドのハイドン、ピアノ・ソナタ全集の録音が成らなかったのは、スクリャービン全集が成らなかったのと合わせて、残念なものの筆頭だろう。
ハイドン:ピアノソナタ全集

ハイドン:ピアノソナタ全集

ハイドン:ピアノ・ソナタ

ハイドン:ピアノ・ソナタ

ハイドン 後期6大ソナタ集

ハイドン 後期6大ソナタ集