ブリア‐サヴァラン『美味礼讃(下)』/志賀浩二『複素数30講』/深谷賢治『双曲幾何』

曇。
中華料理「喜楽」にて昼食。炒飯+ラーメン890円。ラーメンも炒飯も超ふつう。炒飯がふわふわ軽いのは取り柄だが、少々塩辛い。

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ブリア‐サヴァラン『美味礼讃(下)』読了。何という陽気な書物であろう! 著者はフランス革命時に王党派と見做され、危うく処刑されるところだったり、その後も亡命生活を送ったりするのであるが、本書ではそのような辛酸を嘗めた体験を記したりもするけれど、あくまで食に関するエピソードとしてであり、しかも、朗らかさを決して失わない。学識もきわめて豊かで、性格はエスプリに満ちつつ、豪胆にして沈着という感じであり、まったく大した人物と云うべきだ。なるほど、本書が古典と云われる筈である。
美味礼讃 下 (岩波文庫 赤 524-2)

美味礼讃 下 (岩波文庫 赤 524-2)

図書館から借りた、志賀浩二複素数30講』読了。近頃ハマっている、志賀先生の「数学30講シリーズ」の一冊である。複素数から複素解析の初歩までを丁寧に解説した本で、本書の内容がすべてきちんとわかっているという人は、とても力のある人だと思う。大抵の人には、本書の説明は至極身になるのではないか。複素関数の「正則性」が、いかに驚くべき結果をもたらすか、本書は徹底的に説明している。初学者からある程度学んだ人まで、広く薦められる好著だろう。このシリーズ、まだまだ読みますよ。
複素数30講 (数学30講シリーズ)

複素数30講 (数学30講シリーズ)

深谷賢治『双曲幾何』にざっと目を通す。双曲幾何とは、いわゆる非ユークリッド幾何のことである。本書では非ユークリッド幾何を構築するために、上半平面モデルや円盤モデル、双曲面モデルを導入し、モデルの等価性についても述べられる。全体的に、計算自体はさほど難しくないと思う。ただし、リーマン幾何は用いられない。(ここが小林昭七先生の本と違うところだ。)これはこれですっきりしているだろう。ただ、第四章はタイル張りや離散群などの話で、自分にはかなりむずかしかった。
 ざっと見たが、だいたいの流れはわかった。またそのうち、丁寧に読もう。
双曲幾何 (現代数学への入門)

双曲幾何 (現代数学への入門)