スティーブン・ガブサー『聞かせて、弦理論』

雨。
図書館から借りてきた、スティーブン・S・ガブサー『聞かせて、弦理論』読了。弦理論の啓蒙書。ブライアン・グリーンほど比喩で語っていないので、弦理論にまったく知識のない人にはきついかもしれない。だから逆に、ある程度の予備知識があれば、『エレガントな宇宙』にも劣らず興味深いと思う。DブレーンやM理論についても、かなりテクニカルなことまで書いてある。若い人で、将来弦理論に挑戦してみたいと考えているような人あたりに、お薦めだと云えるだろうか。自分も楽しく読みました。重力がくりこみ不可能だというのはそういうことか、なんて思った。さて、あまり評判はよくないが、ミチオ・カクの教科書でも眺めてみようか。

聞かせて、弦理論――時空・ブレーン・世界の端

聞かせて、弦理論――時空・ブレーン・世界の端


現代は情報過多の時代だと云われるが、それを否定するつもりはないのだけれども、膨大な情報の処理なんていうのは、ある程度頭のいい人には大したことではない。それは、所詮情報の「処理」に過ぎないのだ。そして、そういうことをやっている人はたくさんいる。自分に必要なのは、そういうものではないことがわかっている。ジグソーパズルの絵が完成(そして崩壊)する、まさにそのひとつのピースが欲しいのだ。急所の一撃。自分を決定的に変えてしまうもの。
人が変らないということはあり得ない。最低状態ならば、衰える方向に変っていく。だから、どう変わるかということである。Memento mori.
読書? 書物? それよりも、言葉だ。言葉こそすべてだ。それは、人間が人間である限り永遠にかわらない。