マーク・ブキャナン『歴史は「べき乗則」で動く』

雨のち曇。
マーク・ブキャナン『歴史は「べき乗則」で動く』読了。べき乗則とは、ある量の対数が別の量と直線的な関係にあるとき、これが成立しているという。(フラクタルとも関係がある。)その解析は、もともと物理(非平衡統計力学)の分野で発展したものらしいが、本書はこのべき乗則が、物理以外の様々な分野でも見られることを、一般向けに述べている。例えば、本書ではそう呼ばれていないが、最近出てきた「物理経済学」なんていう学問分野も、これである。本書ではわかりやすい説明を心掛けたのであろう、同じ話が何度も繰り返されていて、自分にはちょっとくどく感じられた。

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)


近頃、ベートーヴェンがとても面白くなっている。射程も大きいし、やはり古典というにふさわしい。今日は室内楽を聴いた。カガンのヴァイオリン、リヒテルのピアノで「スプリング・ソナタ」。せせこましくなくゆったりとしていて、最高の演奏というしかない。アルバン・ベルクQの演奏(旧録音)で、弦楽四重奏曲第五番。ABQの音がうるさいという人が結構いるのだが、どこがうるさいのだ。ベートーヴェン弦楽四重奏曲に駄作はないことを確認する。もっとベートーヴェン室内楽が聴きたくなってきた。ひと通りは持っているが、大家のBOXセットでも買うかな。
Icon: Sviatoslav Richter

Icon: Sviatoslav Richter

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第5番/同第6番

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第5番/同第6番

スクリャービンの「法悦の詩」を聴く。ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏は、なかなかいい。まさしく官能的。
Symphomies 1-3

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