「ホラー・ドラコニア」の『菊燈台』/プラトン『メノン』/宇野常寛、濱野智史『希望論』

曇のち晴。
平凡社ライブラリーの「ホラー・ドラコニア」のシリーズ第二弾、『菊燈台』読了。絵は山口晃で、恥ずかしながら山口のことは知らなかったのだが、一見で気に入った。こちらをワクワクさせるようなエロティシズムで、見飽きない。伝統的なタッチを見せながら、中世の話なのに、原発を描き込んだり、メカニズムを取り入れたり、女性に現代の格好をさせたり。それがまた澁澤龍彦にぴったりなのだ。小さいながら、じつに贅沢な本。併録の澁澤のエッセイ「少女コレクション序説」は、これまで何度読み返したことか。このシリーズ、いったい何冊出るのか知らないが、続巻も楽しみ。

プラトン『メノン』読了。副題「徳(アレテー)について」。一〇〇ページを超える解説が付いている。この古典新訳文庫に、ラテン文学も入るといいのに。
メノン―徳(アレテー)について (光文社古典新訳文庫)

メノン―徳(アレテー)について (光文社古典新訳文庫)

宇野常寛濱野智史の対談集『希望論』読了。かしこい人たちだと思う。それから、本書で言及されている、村井純という人はちょっとおもしろそう。日本のインターネットの父と呼ばれる存在らしい。
希望論 2010年代の文化と社会 (NHKブックス)

希望論 2010年代の文化と社会 (NHKブックス)


物価がリフレに近づいていったら、リフレ派は割れるのではないか。最近のツイッターを見ていたら、そんな気がしてきた。リフレ派も人の子だからな。