「ホラー・ドラコニア」のサド『ジェローム神父』/『ニーチェの手紙』/岡野玲子『陰陽師 玉手匣1』/alva noto+坂本龍一『summvs』

曇。夜更かしで、起きるのがいつもより一時間遅くなってしまった。
プール。久しぶりに泳いだので、しんどかった。アピタとその本屋。
「ホラー・ドラコニア」のシリーズを平凡社ライブラリーに収めた、サド『ジェローム神父』読了。澁澤龍彦訳、会田誠画。これは悪い本だ。で、自分は悪い本が好きなのである。澁澤龍彦のサドの翻訳を、会田誠の変態絵画の挿画で読むという贅沢。本文の漢字すべてに振り仮名がふってあるのは、良い子たちもこの悪い本を読みましょうということだろうか。小さいが、美しい本だ。続巻希望。

ジェローム神父―ホラー・ドラコニア少女小説集成 (平凡社ライブラリー)

ジェローム神父―ホラー・ドラコニア少女小説集成 (平凡社ライブラリー)

ちくま学芸文庫新刊の『ニーチェの手紙』読了。きちんと確かめたわけではないが、基本的に、同文庫の二冊本のニーチェ書簡集からの抜粋のようである。三部に分けられ、それぞれ「愛を語る手紙」「友情・人生をめぐる手紙」「哲学・芸術をめぐる手紙」と題されている。このアンソロジーも悪くないが、ニーチェに関心がある人は、すべからく二冊本の方も読むべきだろう。それにしても、ニーチェは病気によってニーチェになったと、そう云ってもおかしくないように思った。不思議な弱さ。それがまた、じつにつらそうなのだ。
ニーチェの手紙 (ちくま学芸文庫)

ニーチェの手紙 (ちくま学芸文庫)

岡野玲子陰陽師 玉手匣1』読了。岡野玲子は『ファンシイダンス』の時からのファンで、『陰陽師』の大ブレイクは嬉しかった。その続編が始まったということであり、これがその第1巻である。相変らず、神韻縹渺とした画風・物語がすばらしい。現代にあって、この人の存在は奇跡的だと思う。
陰陽師玉手匣 1 (ジェッツコミックス)

陰陽師玉手匣 1 (ジェッツコミックス)


alva noto+坂本龍一『summvs』を聴く。何と云うのだろう、静謐なノイズと点描的なピアノが時間を共有する、アンビエント風の楽曲がいろいろ演奏されている。ポピュラー音楽からは遠く、どちらかと云えば現代音楽に近い。聴きにくいところと心地よいところとが入り混じっているような感じだ。何だか、現代美術の展示会場にBGMとして流したくなるような、と云うか。
Summvs

Summvs