晴。
プール。イオン。
W・フルトヴェングラー『音楽を語る』読了。インタビュー六本と、「現代の音楽」と題する論考。フルトヴェングラーの録音は永遠に残るだろうが、昔と同じ聞き方がされるとは限らない。いまや、ベートーヴェンに全身全霊を打ち込むというような聞き方は稀だろう。そしてそれは、必ずしも悪いことではないと思う。今の時代の聞き方として、アクチュアルなものがそれはそれであるだろうから。そういう聞き方に堪えるのが、古典というものであろう。本書を読むと、素晴らしい音楽が、真摯だが古くさい理念に主導されていることもあるのだなと思う。もちろん、ハッとする言葉もたくさんある。ベートーヴェンとワーグナーの音楽を語っているところなどは、今でも真実だろう。
なお本書には、ワーグナー、ドビュッシーはもちろんだし、ブルックナー、シェーンベルク、ストラヴィンスキー、またレーガー、ヒンデミットまで出てくるのだが、マーラーのマの字も出てこない。これは不思議だ。己と同じ、作曲もする大指揮者ということで、同族嫌悪だろうか。まあ、マーラーは指揮者として以上に、作曲家としてあまりにも偉大であったが。
- 作者: ヴィルヘルムフルトヴェングラー,門馬直美
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/10/05
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- 作者: フルトヴェングラー,芳賀檀
- 出版社/メーカー: 新潮社
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