茂木大輔『はみだしオケマン挑戦記』

曇。
茂木大輔『はみだしオケマン挑戦記』読了。副題「オーボエ吹きの過酷なる夢」。とても濃いというか、こってり型の文章である。しかし上手い。音楽家としては聴いたことがない人なのだが、こんなに文章が上手くては困るくらいなのではないか。オーケストラの中からは、音楽や指揮者はこういう風に捉えられるのか、ということがよくわかる。本書では、室内楽や指揮への憧れも語られる。自分は普段は外国のオケの演奏ばかりを聴いているが、本当は日本のオケも聴かないといけないのだよね。本書を読むと、著者の吹いているN響は上手いらしい(って情けないことに、知らないのです)。ただ、メジャー・レーベルではなかなか日本のオケなどは録音してくれず、本書にもデュトワの指揮でデッカに録音する話が出てくるが、中途半端なものを出したらオシマイなのだった。そりゃ、一流のオケというだけで両手の指くらいは軽くあるから、アジアのオケでは大変である。
 それから、音楽は本当はちゃんとコンサートで聴くのが正しいのだよね。コンサートへ行かずにCDだけ聴いて偉そうなことを書いている自分などは、困った人なのだと思う(まあ、仕方がないのだが)。と書きつつ、茂木さんのCDも聴いてみようかなどと思っているから、始末に負えない(?)のであろう。

稲垣良典を読む。

音楽を聴く。■ハイドン交響曲第八十三番(バーンスタイン1962NYPO)。■ヒンデミット交響曲第七番(アバド参照)。オルガンが効果的。頗るおもしろい。ベートーヴェンは聴けなくとも、ヒンデミットは聴けるということがあるという不思議。■ウェーバー:大ポロネーズ、舞踏への勧誘op.65(エンドレス、参照)。 op.65はベルリオーズによる管弦楽編曲版で有名らしい(Wikipedia)。