油井大三郎『好戦の共和国アメリカ』/レヴィ=ストロース『アスディワル武勲詩』

日曜日。晴。
カルコス。
油井大三郎『好戦の共和国アメリカ』読了。題を見ると扇情的な本かとも思ったが、実際は淡々と、植民地時代の戦争から独立戦争南北戦争米西戦争第一次世界大戦第二次世界大戦朝鮮戦争ベトナム戦争湾岸戦争対テロ戦争イラク戦争などの経緯を、学術的に辿ったものである。アメリカが好戦的になっていく転機は、米西戦争のようである。人物で云うと、マッキンレーやセオドア・ルーズベルトあたり、特に後者の役割が大きいようだ。また本書には、アメリカの行なってきた小さな戦争は、記述されていない。小さな戦争は、ウィキペディアを参照(アメリカの戦争と外交政策)。

好戦の共和国アメリカ―戦争の記憶をたどる (岩波新書)

好戦の共和国アメリカ―戦争の記憶をたどる (岩波新書)

クロード・レヴィ=ストロース『アスディワル武勲詩』読了。神話分析。レヴィ=ストロースは今日殆ど忘れられているように見えるが、自分にはとても面白い。『神話論理』も欲しいのだが、値段がねえ…
アスディワル武勲詩 (ちくま学芸文庫)

アスディワル武勲詩 (ちくま学芸文庫)


夜、NHKの『坂の上の雲』第十一回「二〇三高地」を視る。あーもう悲惨。素朴な感想だけれど、戦争はイヤ。

若きポリーニの「熱情ソナタ」を聴く(こちら)。You Tube がソースで、恐らく日本でのライブ録音。年代は不明だが、映像を見るかぎり、ポリーニは相当に若い。見てもらえばわかるが、とてつもない技巧だ。終楽章など、このテンポで最後はどうなるのだろうと思ってしまうが、ここからさらに加速して(!)、技術に一点の緩みもない。ベートーヴェンの演奏として間違っているような気もするが、聞いていて石化するほど緊張させられるのは確かだ。音質が最悪なのだけが残念。響きがお団子状。

高橋源一郎さんの「午前0時の小説ラジオ:祝島で考えたこと」(12/12)
http://togetter.com/li/226465