『阿含経典1』/青柳いづみこ『六本指のゴルトベルク』/保坂和志『もうひとつの季節』

晴。
うどん「恵那」にて昼食。久しぶりにレンタル・ショップへ行ってCDを借りようとしたのだが、自分の聴くような音楽が大幅に減っている。ガキンチョ向きかうるさいやつばかりではないか。たくさん借りようと思っていたのになあ。店を替えるか。
増谷文雄編訳『阿含経典1』読了。続巻が楽しみ。

青柳いづみこ『六本指のゴルトベルク』読了。東西のミステリや小説の中から、音楽に関するエピソードを引いてきて、洒落たエッセイに仕立てた楽しい本である。(特にミステリなど)自分の読んだことのない本がほとんどだったのだが、まったく気にならなかった。青柳さんは本当に文章が上手い。かつ一流のピアニストで、読書家であり、そんな人の書いた本が面白くない筈がないではないか。自身が優れた音楽家なのに、他の音楽家とその音楽について、じつに寛容でいられるところなど、感心してしまう。また、読んでいると音楽が聴きたくなって仕方がなくなるところなど、先日亡くなられた吉田秀和さんを思わせる。本書では、(意外にも?)ベートーヴェンが聴きたくなってきた。青柳さんはドビュッシーの専門家と云われるが、「実は作曲家ではベートーヴェンがダントツに好きである」(p.179)そうだ。あの無駄のない、主題の「使い回し感」が好きだと云うのである。そう、青柳さんの文章も、「どこか古典派」かも。クラシック音楽を聞いたことがない人でもきっと楽しく読めるし、好きな人は好きな人で唸らされるだろう。ホント、クラシックが聞きたくなりますよ。グレン・グールドのピアノなんて、どうですか?保坂和志『もうひとつの季節』読了。ほとんど引っ掛かるところなし。
もうひとつの季節 (中公文庫)

もうひとつの季節 (中公文庫)