フレドリック・ジェイムソン『政治的無意識』

晴。
フレドリック・ジェイムソン『政治的無意識』読了。

政治的無意識 社会的象徴行為としての物語 (平凡社ライブラリー)

政治的無意識 社会的象徴行為としての物語 (平凡社ライブラリー)

バッハのイタリア協奏曲が聴きたくなり、リヒテル最晩年の録音を聴き始めたが、なんとなく物足りなくてグールドに切り替える。この演奏を聴いていると、全三楽章の中でもっともシリアスなのは、第二楽章だとわかる。グールドの演奏はぎりぎりまでテンポを落としてあり、弱いタッチで簡素かつじっくりと弾いているが、これが深い情感を湛えていてすばらしい。寂寥感すら覚える。
 第三楽章はやはりちょっとテンポが速すぎて、曲を活かし切っていない。グールドにはめずらしく、外面的な演奏だ(速すぎるせいか、途中に音ヌケがある。グールドのミスタッチは他に例を知らない)。ついでに「イタリア風アリアと変奏」BWV989を聴く。あまり弾かれない曲だが、中世的な雰囲気があって好きな曲だ。いわゆるバッハ風ではあまりないのだが、バッハの表現力の振幅の大きさには、何度でも驚かされる。

未完のイタリアン・アルバム

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