石鍋真澄編訳『カラヴァッジョ伝記集』/グレン・グールド『グールドのシェーンベルク』/村井知生&相原哲哉『ひとりでつくれる ホームページHTML入門』

晴。
音楽を聴く。■モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調K.481(イツァーク・パールマンダニエル・バレンボイム)。何の不満もない。聴く前からいいことはわかっているのだが、聴いてみてやはりいいという。名手たちの共演。

Violin Sonatas (Coll)

Violin Sonatas (Coll)

■バッハ:フランス組曲第二番 BWV813(リヒテル参照)。■■バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第一番 BWV1002 (五嶋みどり参照)。美しくなめらかなバッハだ。技術的に何の問題もない。演奏者にとってこの曲集は、特別なものであるというよりは、親しく手慣れたものであるという印象を受ける。自分の好みとしてはもう少し厳しさが欲しいが、これはこれでひとつの表現ではあると思う。さらに聴いていこう。■フランティシェック・ヴィンツェンツ・クラマーシュ(フランツ・クロンマー):オーボエ協奏曲ヘ長調 op.52 ( Jiří Krejčí、フランチシェク・ヴァイナル、参照)。これは驚いた。いい曲じゃないか。クラマーシュはだいたいベートーヴェンと同時代の作曲家としてよいだろう。実際このオーボエ協奏曲はそれなりに有名らしい。意外なところにいい曲があるものだ。これがマイナー作曲家を渉猟する楽しみだろう。
クラマーシュ(クロンマー)のオーボエ協奏曲だが、You Tube にホリガーの演奏があった。ホリガーはさすがに上手く、終楽章などはじつに見事。曲としては、緩徐楽章がいちばん内容があると思う。全体としてモーツァルト風は明らかで、モーツァルトを少しダイナミックにしたような感じだ。

それにしても You Tube はすごいな。クラマーシュいっぱいあるじゃないか。

石鍋真澄編訳『カラヴァッジョ伝記集』読了。カラヴァッジョの同時代や少し後の時代のカラヴァッジョ伝を集めて翻訳した書。なかなかおもしろかったし、実際貴重な仕事だろう。さすが平凡社ライブラリーという本。図書館から借りてきた、グレン・グールド『グールドのシェーンベルク』読了。鈴木圭介訳。このところグールドから遠ざかっているが、この人は書くものも本当におもしろい(ギャグだけは全然笑えないが)。まあ本書は自分には高級すぎて、猫に小判だが、こうしてグールドの「屁理屈」を読むのは楽しい。またシェーンベルクが聴きたくなった。頭がよくないせいで、グールドみたいに分析的には聴けないけれど。なお、中身について云うのを忘れていたが、本書はグールドの制作したシェーンベルクに関する連作ラジオ番組を、活字に起こしたもの(を翻訳したもの)である。グールドと(グールドの作り出した)ケン・ハズラムという人物のとの、掛け合い漫談みたいなものだ。御存知の方も多いだろうが、グールドはシェーンベルクを熱烈に肯定する音楽家だけれども、その熱愛の仕方は必ずしもオーソドックスなものではなく、とても彼らしいものだ。それは、グールドがブーレーズに反感すら抱いていたことからもわかる。グールドがシェーンベルクのどこを愛したのか、それは彼らしく、またしても「対位法」というのがキーワードであろう。まあ素人のおしゃべりはこれくらいにして、ボロが出ないうちに已めておくことにしよう。
グールドのシェーンベルク

グールドのシェーンベルク

グールドのリヒャルト・シュトラウス好きはおもしろいな。シュトラウスを非常に高く評価している(僕もグールドから「メタモルフォーゼン」や初期のピアノ曲の素晴らしさを教えられたクチである)。あとワーグナー徹底肯定であるが、ブラームスも嫌いではないのだな。シェーンベルクは双方から等しく影響を受けているとグールドは言っている。

図書館から借りてきた、村井知生&相原哲哉『ひとりでつくれる ホームページHTML入門』読了。さすがに古すぎる。現在は非推奨の書き方のてんこ盛り。こんなものを開架に出しておくとは、何とも市の図書館だなあ。
ひとりでつくれるホームページHTML入門

ひとりでつくれるホームページHTML入門

ギュンター・グラスを読む。