玄侑宗久『ないがままで生きる』

曇。
 
台風が近づいているせいか、不穏な風が吹く。
 
図書館から借りてきた、玄侑宗久『ないがままで生きる』読了。一度読んでいて、再読なのだな。

 

 
山崎佳代子さんの『そこから青い闇がささやき』(文庫版)を読み始める。50ページほど読む、涙なくしては読めない。しかしこの1991年に始まるユーゴスラビアにおける戦争、そもそも何と呼んだらよいのか。Wikipedia の項目に従って、とりあえず「ユーゴスラビア紛争」としておく。わたしが学生のときに起きたものだが、あまりはっきりと覚えていない。国連制裁や、NATO による空爆が実施されたというのも、後づけの知識かも知れない。あまりにも知らないのでとりあえず Wikipedia をいくらか読んでみたが、これでは到底何もわからないという印象である。本書の世界と Wikipedia の世界が、あまりにもちがうからだ。Wikipedia の記述はあるひとつの「正義」を中心に書かれているようである。なるほど、山崎さんは戦争で世界から「悪者」にされたセルビアベオグラードに住み、国連制裁や NATO空爆も体験した、と。それで少しわかってきた。
 
戦争で民衆が死ぬ、殺されるということ。昨日まで仲良くしていた人たちと、殺し合うということ。どうしても、いまのウクライナ戦争のことを思わずにはいない。
 
夜、雨。
山崎佳代子さんの続き。イボ・アンドリッチというユーゴスラビアボスニア)の作家を読んでみたくなり、図書館サイトで検索してみる。何冊かはあるようだ。
イボ・アンドリッチ『イェレナ、いない女 他十三篇』訳者解題(text by 山崎佳代子)|幻戯書房編集部|note