山崎佳代子『そこから青い闇がささやき』

晴。
 
蝉がパッタリ鳴かなくなった。
 
何もしない。
昼寝。
 
 
山崎佳代子『そこから青い闇がささやき』読了。承前。戦時の民衆の言葉。第VI章「あどけない話」を、鼻をぐずぐずさせながら読む。1999年、78日間続いた NATO空爆下で書かれた文章。

しかし、そもそも戦争こそ誤りではないか。地上のどこに、爆弾を落としていい場所があるのか。戦争とは、命を奪い、人々の生活につながる場所を力ずくで破壊すること。誰にそれが許されるのか。大きな力は大きな嘘をつき、小さな力は小さな嘘をつく。いくつもの嘘が重ねられて、戦争は生み出される。そして子供たちは裏切られる。これまでに、千人以上の命が消えていった。(p.172)

しかし我々は愚かだ。わたしもここで流した涙を忘れるのに、どれくらいの時間で済ますだろう。偽善者でいられずに済む人間は少ない。この偽りの、日本の言論空間、電子的仮想空間。我々はそれにどっぷり浸かり、日々むなしい言葉を量産している。存在しない方がマシかも知れないような書物で、書店は埋め尽くされてはいないのか。インターネットのどこに、弱くてじつは強い詩があるだろう。

山崎佳代子『ベオグラード日誌』 - オベリスク備忘録 2019.11.3
 

 
言葉の無力さにもういちど向かいあうしかない…東浩紀『忘却にあらがう』刊行記念エッセイを特別公開|朝日新聞出版さんぽ|note

でもほんとうは、さきほども記したように、そもそも批判なんてたいていが無力なものなのだ。無力を恐れていてはそもそもなにもできない。言葉は届かない。だれにも理解されない。世界をなにも良くしない。それでもそこから出発するしかない。

 
高橋英夫『わが読書散歩』を読み始める。
 
夜。
中秋の名月の筈だが、雲が出て何も見えず。
 
中沢さんの『レンマ学』を読む。