赤松良子『均等法をつくる』

曇。
 
スーパー。
 
時代って何だろうな。力量のある人が、時代にフィットした表現ができないことで、相手にされない。また、時代を切り拓いてきた人が、時代遅れになる。まあ、じつに陳腐な感慨なのだけれど。時代ってのはフィクショナル、仮構的なものではあるが、そのようなものは存在しない、ということもできない。
 自分はといえば、時代とは関係ないところでやってきたけれど、全然関係ないともいえない。「不易」も「流行」も共に大事だと見做してきたし、その上で「不易」を体現しようとしてきたのだと思う。そういう人間が同時代にいなかったから、というのは、完全に時代的だ。また、「不易」を語るにしても、表現の底に時代を秘めておくのは大切なことだと思っている。
 
雨。
マックスバリュ。梅酒用の氷砂糖を買おうと思ったのだけれど、ここにもなかった。この時期、皆んな梅酒を拵えているのかな。
 
 
あるブログを読んでいたら、京都の京阪書房という古書店が閉店したとあった。さて、あまり覚えがない古本屋だなと思ったが、三条河原町とあってああとなった。学生のとき、大岡昇平訳のスタンダールハイドン』(500円だったと覚えている)とか、レヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』を買った記憶がある。谷崎潤一郎が通った老舗だとか。へえ、そうなのか。わたしは松ヶ崎に住んでいたので、河原町三条は遠かった。
 

 
夜。
図書館から借りてきた、赤松良子『均等法をつくる』読了。濱口先生のブログエントリで知った本で、わたしなどが読んでも意味がないかとは思ったが、学生のつもりで読んでみた。いやあ、めっちゃおもしろかったわ。赤松氏が労働省の婦人少年局長として、「男女雇用機会均等法」(1985年)成立に深く関わる話がメインである。なるほど、法律とはこうやって作っていくものかと、その奮闘ぶりには感動を禁じ得なかった。いま脳みそが腐っているのでうまく書けないが、こういう仕事こそが世界を変えるのだなあ。濱口先生が赤松さん他を「言葉の正確な意味で『フェミニスト』と呼ばれてしかるべき」と仰っているのが、わかる気がした。いや、底の浅い感想でなさけないけれども。濱口先生の『働く女子の運命』も途中まで再読して放ってあるので、これもきちんと読み終えよう。