甥っ子の勉強を見る

曇。外気32℃くらいだと随分涼しく感じる。
 
甥っ子の勉強を見る。今日は高校数学の確率の基礎をまとめてやる。
朝迎えに行くとき、那加の町に赤いサルスベリが目立つな。街路樹などに使われている。
午前中、二時間、昼からは二時間あまり。まあ、集中してやるにはそれくらいが限度かな。昼食はおばあちゃんのご飯。
 
夕方、甥っ子を送っていったあとにスーパー。まだ商品の補充の時間でなくて、欲しいものがなかったり。
 
 
夜。
濱口桂一郎先生の『家政婦の歴史』を読み始めたが、社会科学全般に疎いので、読むのがたいへん。歴史についても無知で、そもそも本書に頻出する「派出婦会」や「派出婦」といった語すら、聞いたことがなかった有り様だ。だからというか、本書の何についてわたしは興味をもてばよいのか、とまどいながら読んでいたのであるが、第五章まで読んで、やっとおもしろくなってきた。うまく言語化できないのだが、「国家の定める法」と現実が乖離するとき、実際に何が起きるのか、ということである。
 「派出婦会」というのは1918年に最初にできたもので、家事を代行する「派出婦」を、パートタイマー的に家庭に送り込んで手数料を取る団体であり、これは(無給のことすらあった)「女中」の存在を衰退させるくらい、社会に必要とされたという。しかし敗戦から日本を統治した GHQ はこのような存在を前近代的な悪弊(労賃をピンハネしたり、劣悪な労働環境を強制する、というような)をもつ、悪しきものと見做し、法的にこれを規制しようとした。一方で「派出婦」は、現実に必要とされており、そのあたりの齟齬をどうするか、現場は困るというわけである。まだ、そこまでしか読んでいないが、その矛盾の帰結が、いまでも「家政婦」という存在に残っているということらしい。
 他人にはどうでもいいことだろうが、恥ずかしいけれど、わたしは「法」という観点から、国家を見たことがあまりなかったな。まったく、これまでいろいろ勉強してこなかったなあといまさら思う。