アマルティア・セン『講義 経済学と倫理学』/多和田葉子『エクソフォニー』

晴。
音楽を聴く。■バッハ:イギリス組曲第三番 BWV808(リヒテル参照)。■メンデルスゾーン交響曲第四番 op.90 (バーンスタイン NYPO 1958)。バーンスタインの推進力はすばらしいが、細部はちょっと乱暴だね。
もう本も読まずにだらだらしているのだが、もっとだらだらしたい気分。眠い。寝ていたい。
井山裕太六冠が非公式のネット対局で謎の棋士に負けたらしい。相手は AI だと皆思っていて、これまで中韓のプロ棋士たちに連勝しつづけ、まだ一度も負けていないという。へー、すごいことになっているなあ。囲碁のプロ棋士たちは気軽に非公式にネット対局するという文化(?)があるようで、なかなかおもしろいと思う。だから、有名なアカウントはよく知られているらしい。

アマルティア・セン『講義 経済学と倫理学』読了。

アマルティア・セン講義 経済学と倫理学 (ちくま学芸文庫)

アマルティア・セン講義 経済学と倫理学 (ちくま学芸文庫)

図書館から借りてきた、多和田葉子『エクソフォニー』読了。エッセイ集とすべきか。この人の文章は日本語として視覚的に非常にそっけないのだが、話はおもしろいのがおもしろい。本書の後半などは、ドイツ語おもしろエッセイみたいな感じだが。それから、エクソフォニーを生きているという著者の小説の主人公が、CDも聴けないしTシャツも着られないというのも不思議な感じだ(意味わかりますか?)。過度にカタカナが多くなっている現代日本語の文章がお好きでないのも不思議である。現代中国語の簡体字を馬鹿に(?)していたら、日本語の漢字の略字(鹽でなく塩ということ)のことを知ってがっかりしたというのは、そんなこともご存知なかったのかと驚いた。近代文語文などは読んでこられなかったのだな。意外と日本語に関してはむしろ保守的なところもあるのかしらんと思う。僕などは日本語の錯乱的に混乱しているのが却っておもしろい気もするのだが。でも、そんな文章はやはりなかなか書けない。著者の方がいい意味で錯乱的だ。
エクソフォニー-母語の外へ出る旅-

エクソフォニー-母語の外へ出る旅-


梶谷先生が僕の読書感想文をわざわざリンクして下すったのだが、明らかに自分のだけレヴェルが落ちるので何だかなーと思う。まあでもレヴェルが低いのは事実なのだから仕方がない。やはり山形さんの紹介がいちばん明快だったな。ここにある『メイカーズのエコシステム』は読んでみたいのだけれど、貧乏人には趣味で買うにはつらいなという値段なので、どうしようか迷う。図書館に期待するしかないか。『ヘリコプターマネー』もおもしろそう。もう経済も経済学もあまり興味があるわけではないけれど、やはりいまホットな分野なのでおもしろそうな本が出てくるのだよなあ。
まちおこしがビジネスだって忘れてない!? / 木下斉×飯田泰之『稼ぐまちが地方を変える』刊行記念トークイベント | SYNODOS -シノドス-
この記事すごくおもしろかった。本も図書館から借りてこよう。

松任谷由実を聴く。
このアルバムから完全に同時代で聴いている。聴き始めた瞬間ものすごい羞恥心に襲われて動揺した。まあ聴いていくうちに慣れました。こういう音楽が同時代だったというのはもう諦念を誘われる。さても「冷たい雨」はいい曲ですね。このアルバムは1979年の発表だが、80年代というのはまさしくこんな時代だった気がする。いまのヒップホップなどを聴いて育ってくる子たちとは無意識がまったくちがう筈だ。このあともユーミンを一枚づつ聴いていくつもりだが、何だか少しこわくなってきた。あの時代は何だったのだろう。
OLIVE

OLIVE