梶谷懐『日本と中国経済』

晴。
変な夢を見た。近所に五、六軒もあるコンビニが(実際はない)、ことごとく潰れていくという夢である。あまりよさそうな夢ではないが、そんな嫌な感じはしなかった。無意識は何がしたいのかなあ。
昨日書いたとおりの事情で、今朝はサブ機の ThinkPad を立ち上げている。こちらで音楽を聴くと、さすがに VAIO ほどの音質はなく、やはり VAIO は音響機器が得意のメーカーだからかなあと思った。でも、ThinkPad T410i でもそんなに悪いということもなくて、自分の好きな Clementine という優しい音の音楽プレーヤーのせいで、音楽に浸ることができる。
音楽を聴く。■バッハ:フランス組曲第二番、第四番(リヒテル参照)。リヒテルみたいなピアニストがどうしていまいないのだろうとは言わない。こういうのは、いるのが不思議なピアニストなのだ。わずかでも同時代を過ごせたことをうれしく思う。

カルコス。8冊11610円ぶん買った。結構買ったな。
イオンのミスタードーナツで、先ほど買った梶谷先生の新書を読む。フードコートは宣伝やら人々の話し声やら雑音でうるさいので、本当は町の中の店舗が好ましいのだが、ないものは仕方がない。昔に比べるとミスドも流行らなくなったのだろうな。若い人はスターバックスとかなのかも。
240GB SSD落手。アマゾンで10978円だった。昨日というか、日付が替わってから注文したのだが、夕方までに届いた。通常便だったのに早いね。それにしても、SSDって小さいのだなあ。名刺並みの大きさで驚いた。

外付けSSD にもう一度 Linux Mint 18 Cinnamon 64bit をインストールする。やり方は昨日の USBメモリへのインストールと同様。どうやらうまくいったようであり、Windows 8.1 との切り替えも問題ないようだ。ただ、初期ブートのレスポンスがちょっと不安定なのは気になる。立ち上げは SSD なので、いわゆる「爆速」というやつ。瞬時に Linux Mint が立ち上がる。これでうまく使えれば、非常に快適ということになるのだが。

梶谷懐『日本と中国経済』読了。著者は本書が一般向けの本であるとして、中国近現代史の専門家から見れば新しい知見はないだとろうと断っているが、まさしく自分は一般人として読んで色いろ勉強になった。本書の内容は題名どおりといえばそうであるが、昭和の戦争の前から説き起こすという、長い射程をもっている。経済からの視点を強くした、一般向けの歴史書であるとも読めるだろう。著者は政治と経済の両面のリンクを強く意識しているようで、非常に新鮮であるとともに、自分にはかなりハードだった。というか、多くの部分は猫に小判であったようである。適切な紹介はこの後ネットでも出るだろうから、そちらを参考にして頂きたい。
 個人的にインパクトがあったのは二つあって、ひとつは、著者は本書では詳しく述べていないと断っているが、日本が政治的に中国に歩み寄れば、日中関係は基本的にうまくいくのだという類の発想は、誤りであるという主張である。その理由は、日中の間で「統治」に関する根本的な考え方がちがっているからである、ということだそうだ。それは本書を読んでみれば何となくは理解できることである。もうひとつは、現在の緊密な日中の経済関係からすれば、日中両政府ともそれを大きく破壊するような行動(戦争など)を取る筈はないと自分は考えてきたのだが、それはおそらく考えが甘すぎるということ。本書を読んでみると、経済的に明らかに非合理的な選択が、政治的に繰り返し行われてきたということがわかる。これはむしろ、本書の意図とはかけ離れた、一般的な歴史認識なので、本書を読んで自分が勝手にそう思っただけのことである。筋の悪い読書というべきか。
 本書はニートに近い独身中年男性である自分よりは、もっと役に立てられる人たちがたくさんいるだろう。新書ではあるがかなりハードな書物なので、中国近現代史の専門家ではない専門家などに特に役に立つのではないか。それから、実生活で現代中国に密接に関係のある人。自分のような人間が「教養」だけの目的で読むのはもったいないし、そのような意図で書かれた本でもないと思う。