『Ruby レシピブック 第二版 258の技』/濱口桂一郎『働く女子の運命』

晴。
色いろ夢を見た。
音楽を聴く。■バッハ:イタリア協奏曲 BWV971(シフ、参照)。これ、名曲なのだけれど短すぎる。もっと聴いていたいのに。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第二十三番 K.488 (内田光子、テイト、参照)。クラシック音楽を聴き始めた頃に好きになった曲だが、やはり素晴らしいな。特に終楽章の生きいきとしていることと云ったら。■マーラー交響曲第一番(バーンスタイン NYPO 1966)。マーラーの現代的な演奏に道を拓いたバーンスタインの旧盤であるが、今でも充分聴ける。最近の精緻なマーラーとはまたちがう、骨太の演奏だ。マーラーは聴くのが大変なので時々聴くだけであるが、自分の重要な柱の一つなのだなと思う。たぶん、交響曲作家としてはいちばん好きだ。■C.P.E.バッハソナタ ホ長調 H.39 (ダニー・ドライヴァー、参照)。C.P.E.バッハには驚かされる。もっと聴いてみないといけない。

図書館から借りてきた、『Ruby レシピブック 第二版 258の技』読了。あまり借りられていないようできれいなままだが、それにしてもだいぶ前の本である。かなりいい内容なのだけれど、Ruby 1.6〜1.8 が対象だとは。御存知のように Ruby は 1.9 から大きく変わるので、初心者にも古いところが目に付く。今では第三版が出ているようだ。
 よく云われるように、Ruby は仕様を結構変える。そこいらが、後方互換性に気をつけている PerlPython とのちがいで、もちろん賛否両論あるのだが、無条件に肯定するわけにはいかないだろう。(もっとも Ruby 2.0 からはかなり安定したと思う。)将来の Ruby 3.0 でも、文字列リテラルが破壊不能になるなど、どうもまた大きく変わるようだ。さすがにこれでは、パブリックな目的になかなか Ruby が使いにくいのは仕方がないことだろう。そのあたりは損をしているところもあると思う。

Rubyレシピブック 第2版 268の技

Rubyレシピブック 第2版 268の技

濱口桂一郎『働く女子の運命』読了。いやあ、おもしろかった。日本で女性が働くのがむずかしいのは、日本の男性がダメなためだけではないのである。ヨーロッパでは女性の社会進出が進んでいるが、ヨーロッパの男性だって頭が固かったのは似たようなものだ。それは、両者の労働形態のちがい、つまり、著者の云うところの日本の「メンバーシップ型」社会と、ヨーロッパの「ジョブ型」社会のちがいに依るものだと云うのだ。著者のこの区別は、最近ではかなり知られてきたような気がする。実質的には、日本でも「ジョブ型」の労働形態が取られるようになってきたところも、少しはあるような気がするのだ。日本が全面的にそうなるのがいいのか、自分などにはよくわからないが、仮にそうなれば、日本の「終身雇用制度」は崩壊を余儀なくされることになろう。ともかく、「同一労働同一賃金」は当然のことだと思うが、日本ではなかなかそうはならない。これは、女性の労働問題にも派遣労働の問題にも関係していると思う。それから、日本には強い意味での「労働時間の制限」が存在しないこと。週四〇時間というのは、それを超えたら残業代を払えというだけのことであって、これ以上働かせてはいけないということではない。それでは、女性が育休を取ったり定時で帰宅したりすれば、他人に負担がのしかかってくるわけである。そう思うと、女性の労働問題は、他の問題と強くリンクしていることがわかる。
 しかし、女性ではないがそのうち労働弱者に転落しそうな自分としては、女性の労働問題は人ごとではない。同じ問題とリンクしているからだ。自分がすぐには悲惨な状況にならないであろうことは、ただ予め余裕を作っておいたからに過ぎない。ちなみに不況下にあって生きてきた若い人たちは、ネットを見ていると、色んなことをやっている。あくせくしないで生きるという技術を身につけているのは、若い人たちに多いようだ。見習いたいと思う。しかし、経団連か何かの「同一価値労働同一賃金」って何だよ。正社員と派遣労働者が同じ仕事をしていたとして、それなのにその「価値」はちがうらしい。それはどうやって計測するのか。アホらし。

明日から早朝出勤。(AM2:11)