日曜日。晴。
徳永恂『現代思想の断層』読了。マックス・ウェーバー、フロイト、ベンヤミン、アドルノ。あれ、この本、前にも読んでいたらしい。全然覚えてなかった。
- 作者: 徳永恂
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/09/18
- メディア: 新書
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You Tube でユジャ・ワンの弾く、ラフマニノフのピアノ協奏曲第三番(参照)を聴き始めたのだが、ちょっと自分にはダメだった。ユジャ・ワンの魅力は、まったく心の籠っていない、まるで機械が演奏しているかのような無機質さにあったのだが、この演奏は正反対で、心を籠めすぎて態とらしくなってしまっているように感じる。どうもやり過ぎたのではないか。相変らず技術は高いが、かつての爽快さはない。それから、録音のせいなのかどうかわからないが、マイクが近すぎるのか、ピアノの音のバランスが悪い。高温は耳障りだし、低音がゴロゴロする。たぶん、ピアニストのせいだと思う。とにかく、第一楽章で聴くのを止めました。
リストのピアノ・ソナタ ロ短調のライブ録音があったので、これも聴いてみた。ユジャ・ワンはまだかなり若い。演奏は荒削りだが、カッコいいところもたくさんあるのだな。やはり超絶技巧が売り物なのだろう。ただ、マシーンとしては、終盤の大ミスタッチは大幅な減点対象だとは云わねばなるまいが。
スクリャービンのピアノ・ソナタ第二番。これは大袈裟でなく、鳥肌が立つ演奏だ。技術もエモーションも美しさも完璧。これは個人的に好きな曲なのだが、正直言って、ノックアウトされた。ユジャ・ワンは、スクリャービンの曲が合っているのではないか。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番(参照)もあったので、聴いてみる。最初の方は、硬質な響きが美しく、理想的な演奏なのだが、途中から変わってくる。最初は8:00あたりから、9:00あたりだとさらにはっきりするが、ピアノの音がのっぺりした感じになってくる。興が乗ってきたのかも知れないが、自分にはどうもいい方への変化とは思えない。段々聴くのが苦痛になってきたので、第二楽章の途中で聴き止める。
メンデルスゾーンのピアノ協奏曲第一番。うおー、カッコええ。メンデルスゾーンの飛び跳ねるような、外向的な音楽が合っている。ユジャ・ワンの弾いていて楽しそうなこと。クルト・マズアの指揮も切れがあってさすが。これはいい演奏だなあ。
おまけ。何も知らずに下の演奏を聴いてびっくり。ショパンのピアノ・ソナタ第二番だが、これ、すごい演奏じゃないですか。小林愛実というらしいが、自分は Wikipedia(参照)以上のことは知らない。これは彼女が十六歳の時の演奏ということで、You Tubeのコメント欄が賛否両論、炎上しているのはちょっと可笑しい。これは将来が楽しみなピアニストだ。没入型のピアニストとして、大成するかも知れない。
年齢のことをとやかく云うのは趣味が悪いかも知れないが、四歳(!)の時のクレメンティだって(参照)。