曇。
音楽を聴く。■ショパン:マズルカop.33, op.41(ルイサダ旧盤)。
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河合隼雄『日本人の心を解く』読了。河合俊雄訳。知らぬ間に刊行されていた、「岩波現代全書」なるシリーズの第五弾である。本書は著者が「エラノス会議」で発表した、全五回の講演の翻訳だ。各章の題を記しておけば、第一章「相互浸透」、第二章「明恵夢記における身体」、第三章「日本神話」、第四章「日本の昔話」、第五章「とりかへばや」である。これらに見えるモチーフの多くが、後に著者自身の手で著作に展開されているが、本書に収録された論文は中身が凝縮されていて、これはこれでとても読み応えがある。エラノスでも高い評価を受けていたらしい。個人的には、明恵上人を扱った第二章にとりわけ感銘を受けたし、その他のも、日本人の深層心理を理解していく上で必読とも云えるだろう。欧文で最初に発表されたというのも、問題をクリアにするのに役立っていると思う。
なお、翻訳であるが、英語のよく出来る方で、訳者の翻訳一般をボロクソに云っている人がいるが、自分は原文と比較することはできないけれども、少なくとも本書は自分には意味もよくとれるし、平明で、原著者の文体の雰囲気もよくでていると思った。
日本人の心を解く――夢・神話・物語の深層へ (岩波現代全書)
- 作者: 河合隼雄,河合俊雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書も中身は充実していて、内容紹介すら大変なくらいなので、この問題に関心のある方は、是非(阿部彩氏の本とともに)本書に目を通されたい。とにかく、事実を知るところから始める他ないのではないか。
- 作者: 山野良一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/09/17
- メディア: 新書
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