晴。
清水唯一朗『近代日本の官僚』読了。とても重厚な書物で、明治期の歴史を調べている人なら必読であろう。内容の豊富さと鬱蒼とした学識に、何となく大家の筆を予想していたのだが、自分より遥かに若い研究者の手に成るとは驚かされた。近代日本が、零から創りあげねばならなかった「官僚制度」について、自分などには知らないことばかりであった。一般人の感想を述べれば、ここでも明治期の日本はよくやったのではないかと思う。何しろ零からの出発であるから、最初は実力主義にならざるを得ないし(人材でも、中央政府と「藩」の関係が微妙だった)、ある程度制度が整備されれば、試験による選抜システムに移行せざるを得ないだろうが、スムーズにとは行かなかったにせよ、移行も上手く行ったのではないか。さて、とすれば現代の官僚システムはどうかという問題に、必然的になってくる。そのあたり、取り敢えず新書レヴェルで何かないだろうかね。
近代日本の官僚 - 維新官僚から学歴エリートへ (中公新書)
- 作者: 清水唯一朗
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/04/24
- メディア: 新書
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相変わらずユジャ・ワン。彼女のピアノには中毒性がある。ここまでスクリャービンを魅力的に弾いてくれれば、文句の付けようがない。しかし、まったく感傷的ではないね。
リゲティのエチュード。こういうのは留保なしに素晴らしい。ピエール=ローラン・エマールの演奏に勝るとも劣らないな。(AM2:41)