晴。いい天気。
うどん「恵那」にて昼食。ざる蕎麦820円。少々高いが、割とおいしくて量もある。ここの店は父が好きなので、よく行くのだ。いつも混んでいる。
音楽を聴く。■モーツァルト:弦楽四重奏曲第十五番、第十六番、第十八番(ジュリアードSQ)。第十六番と第十八番は普段ほとんど聴かない曲だが、聴いてみるとなかなか悪くない。第十六番の第二楽章などは、いい曲ではないか。第十八番は最初モーツァルトにしては底が浅いようにも感じたが、聴いているうちに面白くなってきた。しかし、こちらが苦労して感性を広げても、モーツァルトはあっさり先で既に完成されているな。当り前だが、さすがだ。ジュリアードSQは、簡潔で引き締まった、キビキビした演奏。
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小川洋子『薬指の標本』読了。短篇集。表題作が不気味だ。何でも標本にする「標本技術士」は、主人公の女性まで標本にしてしまうのだろうか。そこはわからないようになっている。これは静謐な幻想小説であり、具体的な描写はほとんどないのに、エロスを喚起するように書かれている。小道具は「靴」だ。標本技術士が彼女のために誂えた、完璧な靴。フェティシズムのためのオブジェだ。
併録された「六角形の小部屋」は、「語り小部屋」という、一種の無人の告解所を考えたのは面白いが、それが充分に展開され切っていないようにも思われる。いずれにせよ、著者の小説は質が高く、そして読ませる力もある。翻訳も多数あるそうで、それも当然であろう。
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原則的に、「寛容」は大切なことであり、進んで擁護されねばならぬとも思う。しかし、「寛容」には難問がある。渡辺一夫の「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」という命題だ。理想的には「否」だが、じつはこれに一律な答えはないと思う。我々は誰も自分がかわいいし、人間はかしこいと共に愚かだからだ。決断を迫られるべきところで適切な対応が出来るために、我々は自らを鍛えるわけであるが、現実には、その場に立ってみないと何とも云えないだろう。例えばニュースなどを見ていても、色々容易なことではないと日々感じる。結局、判断が正しかったのかどうかは、事後的にしか決まらないだろう。例えば、撃たなければ撃たれるという状況で、撃たないということは可能だろうか?
- 作者: 渡辺一夫,大江健三郎,清水徹
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