ラクラウ、ムフ『民主主義の革命』/ 玄侑宗久『リーラ 神の庭の遊戯』/内田光子のベートーヴェン後期ソナタ集

日曜日。朝、霜。晴。
エルネスト・ラクラウとシャンタル・ムフの共著『民主主義の革命』読了。新訳。

民主主義の革命―ヘゲモニーとポスト・マルクス主義 (ちくま学芸文庫)

民主主義の革命―ヘゲモニーとポスト・マルクス主義 (ちくま学芸文庫)

玄侑宗久『リーラ 神の庭の遊戯』読了。著者紹介の写真を見て、玄侑さん、じつにいいお顔をされているなと思ってしまった。本書は、こういうお顔の方が書いた小説なのだ。凡俗の徒でも、祈りたいような気分の読後感である。え? 抹香臭い小説なんかじゃないですよ。若い女性の自殺を扱った、むしろ深刻な小説なのだが、深刻さで売ろうというようなものでもない。玄侑さんは、そんな浅はかな人ではありません。なお、文庫解説は堀江敏幸
リーラ―神の庭の遊戯 (新潮文庫)

リーラ―神の庭の遊戯 (新潮文庫)


内田光子の弾く、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第三十番op.109、三十一番 op.110、第三十二番op.111を聴く。かなりテンポを揺らす演奏。内田光子は、深い曲を弾くと途轍もない名演を聴かせることがあるが、このディスクもその類だ。ベートーヴェンの最後の三つのピアノ・ソナタは、名ピアニストたちの名演がたくさん録音されているが、この演奏は、その中に置いても見劣りしないどころか、最上級のもののひとつであろう。どれも終楽章が素晴らしく、特にop.110のフーガは、ほぼベストの演奏だと思う。曲に没入し、どこまでも深く潜っていく演奏が好みの人には、これは大切なディスクになるかも知れない。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30-32番

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30-32番


今の政治家がダメになったとすれば、それは我々日本人がダメになったからだと思う。小沢一郎も言っているではないか。「国民以上の政治家は出ない」と。特に、自分の世代は本当にダメだ。元々葛藤のない世代だが、バブルで浮かれた青春時代を送って、バカを強化した。ちなみに、橋下徹は自分らの世代である。