岡田温司『デスマスク』/『藤枝静男随筆集』

休日。曇。
岡田温司デスマスク』読了。古代ローマの「イマギネス」から始まって、西欧のデスマスクの歴史を辿る。たくさんのデスマスクの写真を見たが、やはりちょっと気持ち悪かった。ミケランジェロパスカル、ナポレオン、ベートヴェン、マーラー夏目漱石… しかし、西欧美術の領域で、デスマスクの果した役割は相当に大きい。写実主義の源泉のひとつが、ここにあるかと考えられるくらいである。

デスマスク (岩波新書)

デスマスク (岩波新書)

藤枝静男随筆集』読了。藤枝静男は初めて読む。惹句に「剛毅木訥」とあるが、まさしくそういう感じを与えられる文章だ。いい加減なものを書いていると軽蔑されそうで、怖い。けれども、思わず笑ってしまうような、可笑しみを誘うところもある。なお、巻末の著者の写真が目に入ってきたとき、ハッとさせられた。強い印象を受ける顔立ちである。
藤枝静男随筆集 (講談社文芸文庫)

藤枝静男随筆集 (講談社文芸文庫)