ヴァレリー『精神の危機』/ナムコミュージアムDS/橋本省二『質量はどのように生まれるのか』

晴。夜、寒冷前線の通過。
ポール・ヴァレリー『精神の危機』読了。確かに翻訳は進歩している。ヴァレリーがもっと文庫になるといい。ところで、ヴァレリーは、第二次世界大戦が終った年に亡くなっているのだな。この有名な「精神の危機」は、第一次世界大戦に際して書かれたというわけだ。第二次大戦後の世界をもしヴァレリーが見ていたら、どういう意見を持っただろう。案外、予見のとおりで、意見は変わらなかったかも知れないが。

精神の危機 他15篇 (岩波文庫)

精神の危機 他15篇 (岩波文庫)

時々ゲームをやってみたくなるのだが、複雑なやつは面倒でもうできないので、昔のビデオ・ゲームが移植されていないかと思う。で、調べてみたら、ナムコの昔のゲームがDS用に移植されているソフトがあったので、アマゾンの中古で買う。本日落手。特に「ゼビウス」が懐しかったので、さっそくやってみたが、画面が小さいのでなかなかむずかしい。でも、よくできている。他にも「ギャラクシアン」「パックマン」「マッピー」等々、まったくノスタルジックなゲームが8タイトルあるので、懐旧しながら遊んでみたい。
ナムコミュージアムDS

ナムコミュージアムDS

橋本省二『質量はどのように生まれるのか』読了。素粒子の質量という観点から見た、場の量子論の啓蒙書。これは正統的なアプローチで、知らないことが多かった。南部陽一郎の偉大さがよくわかる。ヒッグス機構は素粒子の質量の2%ほどしか説明せず、残りの98%はカイラル対称性の破れによるものだというのは、意外だった。これが数式レヴェルで分ればよいが、それは相当にむずかしいのだ。
質量はどのように生まれるのか―素粒子物理最大のミステリーに迫る (ブルーバックス)

質量はどのように生まれるのか―素粒子物理最大のミステリーに迫る (ブルーバックス)