広江克彦『趣味で相対論』に熱中!

夜、強い雨
id:obelisk2:20091104にも書いたが、広江克彦『趣味で相対論』は熱中して読まされた。昨日は、午前三時くらいまで布団の中で読み耽っていたし、今日は仕事場まで持っていって読了。第五章の「リーマン幾何学」など、よくぞここまで基本に忠実にやってくれました、というようなものだ。実のところ、素人たる自分の一般相対性理論の理解は、本書によって格段に深まったと思う。この理論の、大伽藍のような壮麗さが堪能できるようになったのは嬉しい。それにしても、これほど丁寧な計算をしながら、式の変形がページを跨いでいる例が殆どないのは、これは意図的なものではないか。これで、式の変形を追うのがとても見やすくなっている。
 賢い専門家の先生たちの書いた物理書に比べれば、本書は確かに「泥臭い」が、泥臭さのもたらす感動というものがあるのだということを、本書は教えてくれる。(しかし、専門家向けではないかも知れない、といっても、物理書として妥協があるわけではない。むしろ、専門家向けの本ほど、妥協があるのかも知れない。)こちらの勝手な願望だが、次著も楽しみに待ちたい。

趣味で相対論

趣味で相対論