ラ・ボエシ『自発的隷従論』/広江克彦『趣味で物理学』

晴。
音楽を聴く。■モーツァルトシンフォニア・コンチェルタンテ変ホ長調K.364(ムター、バシュメット)。この曲を聴くのはたぶん初めて。まだわかった気はしない。終楽章はちょっと好みかな。■ドホナーニ:ピアノ五重奏曲第一番op.1(タカーチSQ、シフ)。Wikipedia。あまり面白い曲ではないのだが、だからと云って聴いて損したということにはならないので、妙だ。第三楽章はちょっといい。全体として、保守的なロマン派。

Piano Quintet in C

Piano Quintet in C

  • アーティスト: Dohnanyi,Schiff,Takacs Quartet
  • 出版社/メーカー: Polygram Records
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD
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エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ『自発的隷従論』読了。ラ・ボエシはモンテーニュの親友として知られている人物で、若くして亡くなるのであるが、このような論文を残していたとは知らなかった。内容はとても興味深く、何故に多数者は少数者に隷属するか、という問題を扱っている。フランスでは細々とながら読み継がれてきたらしく、シモーヌ・ヴェイユやピエール・クラストルが、この論文に触発された文章を書いているくらいだ(いずれも本書所収)。北朝鮮などを見てもわかるように、本書の主題は今となってもまったく古びていない。いや、現代日本においてすら、果して関係ないと云えるだろうか。じつに、シブい本が文庫化されたものだ。
自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)

自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)

図書館から借りてきた、広江克彦『趣味で物理学』読了。物理好きなら誰でも知っているサイト「EMANの物理学」の書籍化である。じつは第二弾の『趣味で相対論』(参照)の方を先に読んでいて、これは洵におもしろかった。こちらの前著の方が図書館にあったので、これも読んでみたわけである。ネット版とほぼ同じ内容であるが、やはり書物の方が読みやすいし、読んだという気になれるね。中身は力学と電磁気学であり、読んでいてとても楽しかった。自分も趣味で数学や物理が好きなので、遊びっぷりが羨ましいくらいである。個人的なことをいうと、自分は剛体の力学をきちんとやっていないので(それが高校物理にない世代だった)、自分なりにまとめてみたくなった。電磁気学も火をつけられたので、太田浩一先生の本を読んでみるつもりである。本書は教科書というものではないのだが、密かに超わかりやすい教科書として使っている学生その他も存在するようだ。もちろんそういう読み方でもいいね。ユニークで親切な本である。
趣味で物理学

趣味で物理学


現代日本格差社会ではないのか? 例えば、年収二〇〇万円以下の世帯が、全体の五分の一以上を占めているという事実。これをどう解釈するべきか。安売りが目玉のスーパーなんかへ行けば、すぐに気が付きそうなものだが。まあ、金持ちのまわりには金持ちが集まるし、貧乏人のまわりには貧乏人が集まるのだ。見えない人には見えない。
 しかし、貧乏人ほどよく勉強する、という世の中にしたいものだ。まず容易なことではないが、隗より始めよという言葉もあるしな。

仕事から家に帰ったら、猫いなかった。気が重かったので、正直言ってちょっとホッとする。元の飼い主が見つけて、連れて帰ったというシナリオが一番いいのだが。

大栗博司先生の「ベイズの定理」についての話。とてもおもしろい。
http://www.gentosha.jp/articles/-/375